「全然足りないですよね…」 低所得世帯に3万円給付 2兆円強の物価高対策を決定
3月23日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、低所得世帯に3万円給付 2兆円強の物価高対策を決定というニュースについて意見を交わした。
藤井氏「物価高対策としては極めて限定的な効果しかない」
政府は22日、物価高対策を話し合う会合を開き、低所得世帯への現金給付や、地方で主に使われるLPガスの料金低減といった2兆円強の追加策を決定した。
追加策では、地方創生臨時交付金に5000億円の低所得世帯支援枠を新たに設け、住民税の非課税世帯を想定して、3万円を目安に支援する。そのうち、子供1人あたりに、さらに5万円を給付するとしていた。財源は今年度予算の予備費から支出する予定だという。
寺島アナ「藤井さん、“2兆円強”という規模、これはどうでしょうか?」
藤井氏「まず、予備費から出すって話ですから、明確に上限がある話ですよね?これは、国民の負担・苦しみが無くなるまで3万円を給付し続ける、あるいはここで言われている5万円を給付し続けるという制度でない限り、特に効果がないですよね。何もしないよりはマシかもしれないですけども、所詮、2兆円の予備費からしか出さないっていう話ですから、これは物価高対策としては極めて限定的な効果しかないですよね」
寺島アナ「ですから、辛口に言えば『形だけ』というようなね?」
藤井氏「選挙前の票を買うためのばら撒きのように見えますね」
追加の物価では、これまで対象外だったLPガスを使用する世帯への支援、医療機関、学校施設などの電気代の支援を強化するとしている。
また、再生可能エネルギーの導入促進のため、消費者が負担している賦課金を見直し、5月請求分の電気代から、標準家庭で月平均800円下がる見通しだという。
藤井氏「それはね、僕はもうずっと前から言ってることですけど、やってくれたらいいんですけど、これも含めて2兆円ってことですよね?これは全然足りないですよね。だから4%程度物価が上がっているわけですよね?何にかかっているかっていうと、日本国内の消費、それから投資にもかかっていて、大雑把に言って400兆円強の消費とか投資とかがあるわけで、それで4%だから16兆円の分を国民は余分に払わされているわけですよね? 2兆円では足りないですよね。
且つ『困った人に3万円とか5万円とかお金配ります』みたいに言ってるわけですけれども、これは困窮者対策ですよね? そうじゃなくて、国民全体の実質賃金が目減りしているということですから、それに対する対策はやる気ないっていうことですよね? 一部LPガスとかはやるんでしょうけど、それにしても規模が小ちゃいし、『なんでガスとかだけやねん?』っていう話になりますよ」
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