「冤罪」の原因とされる「人質司法」とは?

「冤罪」の原因とされる「人質司法」とは?

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3月22日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに元検事で弁護士、郷原信郎さんが登場した。郷原さんは3月20日、新刊『“歪んだ法”に壊される日本 事件・事故の裏側にある「闇」』を発売している。

大竹まこと「中学でも高校でも、法に関する教育って……」

郷原信郎「社会科で一応、国会がどうの、大学がどうのと勉強しますけど法の基本的な考え方を教えられる、ということはほとんどないですよ」

大竹「教わった記憶がないんですが、教えていないんですか?」

郷原「ええ。日本ではほとんど。法律の話になるとみんな一歩、引いちゃうじゃないですか。専門じゃないから、って」

大竹「どこかにいい弁護士いないか、って」

郷原「そういう人たちは、専門家に任せておけばいい、彼らがちゃんと、いい法律をつくって、運用してくれている、と思っているんです」

大竹「違うんですか?」

郷原「世の中の人が実情を知ったら『ええっ!?』と思うようなことがいろいろあるんです」

大竹「たとえば起訴されて、拘留みたいなことがある。痴漢とかで本人が『やっていない!』と言えばそれがずっと続く」

郷原「『人質司法』といいますね」

大竹「『やりました』と言わないと家に帰してもらえない……」

郷原「無罪主張をあきらめないといけない、罪を認めないといけない。そうして初めて解放される」

大竹「これが冤罪を生む大元になっていると」

郷原「この本(『“歪んだ法”に壊される日本 事件・事故の裏側にある「闇」』)で2つのタイプの犯罪に分けて話しているんです。この前は袴田事件の再審、あったでしょう? あれも冤罪が大変な問題になりました。ああいうのは『発生型事件』といいます。発生した事件。警察が犯人を逮捕して、処罰する。当たり前のことです。ただし真犯人かどうかが重要なわけです」

大竹「なるほど!」

郷原「そうじゃないのに逮捕したら、袴田さんのようなことになるし、一方で、真犯人が処罰できないという問題も起きる」

大竹「真犯人はのうのうと……」

郷原「もうひとつのタイプの犯罪、それは『立件型事件』と呼んでいます。たとえば贈収賄事件、経済事犯とか、こういったものは捜査機関の判断で『ここに事件があるんだ』と立件するタイプの犯罪なんです。彼らの責任、判断で」

大竹「はい」

郷原「これも間違うことがあるんですよ。村木さんの事件なんかそうじゃないですか。違うのに犯罪として扱うと、犯罪ではなかった、真犯人はいない、ということになる。でも捜査機関には責任がありますから、有罪判決にこだわる。そこで人質司法という問題が起きるわけです」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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