告白セリフ“付き合ってください!”の曖昧性
ノンフィクションライターの石戸諭と、女装パフォーマーのブルボンヌを迎えた3月17日放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」。
「きょうのクリエイティ部」では「『好きです!付き合ってください』をクリエイティブ!」というテーマでお届けした。
日本ならではの告白の定型文としてよく使われる「好きです!付き合ってください」という言葉。海外では「付き合ってください」のような日本でいう“告白”にあたるやりとりをせず、毎日一緒にいたり、恋人らしいスキンシップをとったりすることで、お互いの共通認識を作り上げていくのが主流だという。
そんな中、そもそも“付き合う”とは何なのか。相手に具体的な関係性を求める日本式の言葉の契約。本当に必要なのか。今日は告白の形について考えていく。
ブルボンヌ「えっ!?あたしとか、あたしの周りとかはみんなこの『海外では』って、いま説明してくれたやり口ばっかりよ?」
西川あやの「じゃあ、ブルボンヌさんは、いままでの人生で『好きです!付き合ってください』と仰ったことがないということですか?」
ブルボンヌ「言われたことも言ったことも多分ないんじゃないかなぁ。まぁ、目でね、訴えたりしたことはあるのかもしれないけど(笑)」
西川「石戸さんは『好きです!付き合ってください』って言葉、言ったことありますか?」
石戸諭「『好きです』っていうのは言ったことあるよ?『付き合ってください』っていうのは、よくわかんないんだよ、意味が。かなり省略されている部分があるっていうのは、個人的には思うところなんだよね」
ブルボンヌ「だよね?たとえば『週に1回お茶を飲みにいくことなのか?』とか…。中身が書かれてないものを契約しているようなものだから、『デートに行く』みたいなことをハッキリ言うほうが正しくない?」
石戸「『付き合ってください』っていうのは、その言葉の前に“括弧”があるわけ。つまり、『付き合ってください』っていうのは“何に付き合うか”っていうのがスッパリ抜けているわけです。だから、さっき言っていたような『週に1回お茶を飲みにいくのを付き合ってください』とか、あとは『週末に映画を観に行くのに付き合ってください』とかだったら具体性があるから話はわかるじゃん。曖昧にすることによって、いろんなものが入り得るっていうことが、『好きです!付き合ってください』という日本語のいちばん危ない部分でもあり魅力的な部分でもあるんだろうね」
ブルボンヌ「使えるときは使えるし、『こんなのまで“付き合う”ってことに含まれたの?』ってショックも待っているかもしれない、ってことだよね?」
石戸「ちゃんと括弧の部分は埋めたほうがいいんじゃないの?っていうのは思うよね、いまの時代は特に。括弧の部分は埋めないと、なんかちょっと中途半端になるんじゃない?『どこまでを求めてます』って話だからさ」
さらに、日本のリアリティショーでの告白方法や、告白・プロポーズが行われた歴史などについても話した。
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜〜金曜の午後3時30分〜5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6kHz、radiko)で放送中。また、radikoのタイムフリー機能では1週間後まで聴取できます。
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