あれもこれも聴きたい! おすすめ落語の演目13選
落語を聴き始めたばかりだと、いったいどんな演目があるのかよくわからないですよね。ここはそんな落語にハマり始めた人のために、13のおすすめ演目をご紹介します。
青菜
ある植木屋がご隠居に、仕事を労って鯉の洗いをごちそうになります。しかしわさびが辛かったので、ご隠居が口直しに青菜を出すと言いました。しかしご隠居が奥さんを呼ぶと、奥さんは不思議な言葉を並べ、それにご隠居も不思議な返事をします。
その内容を知り粋だと感じた植木屋は、自分もそのやり取りをしたいと思いました。植木屋が帰宅した後とある来客があり、彼にやり取りを披露しようとします。
あくび指南
友人の熊が芸の稽古に行くということで、八五郎は一緒についていきました。芸の内容はあくびということで、珍しく面白そうだと思ったのです。熊が先生の所へ行くと、一番初心者向けの「夏のあくび」というものを教わることになります。
しかし熊はなかなかうまくいかず、初心者向けのあくびもうまくできないでいました。八五郎はそんな様子を見ながら、自分が稽古をしているわけでもないので眠ってしまいます。
頭山
ある男がサクランボを種ごと食べたところ、なんと男の頭から目が出て桜の木が生えてしまいました。男の周りの人々はそれを見て喜び、男の頭を「頭山」と呼んで、花見に興じます。
しかし男は連日のどんちゃん騒ぎにうんざりし、桜の木を無理やり引っこ抜いてしまいました。するとそこには大きな穴が開き、雨が降った日に池となります。するとそこに魚釣りをしにまた多くの人が集まってきてしまいます。
犬の目
ある男が目が見えなくなり、医者のもとへ行きます。すると医者は男の目玉を引っこ抜き、助手に薬液に浸しておくように命じました。その後男に目玉を戻そうとしますが、薬液につけすぎてふやけてしまい、うまくはまりません。
そこで縁側に置いて乾燥させましたが、なんと助手が目を離したすきに隣の家の犬がそれを食べてしまいました。仕方なく医者はその犬の目玉を引き抜き、男にあてがいます。男の視力は戻りましたが、ある一つの問題が発生してしまうのです。
居残り佐平次
佐平次という男が貧乏長屋の人たちを集め、品川宿の遊郭に誘います。散々豪遊した後、佐平次は仲間たちを返し、自分だけは延泊するといいました。結局何日か延泊し、店の主人が支払いを迫ると悪びれる様子もなく金はないといい、「居残り」となってします。
しかし店が忙しくなってくると佐平次は座敷に上がり、幇間として場を盛り上げたのです。それを何日か続けると客の方から佐平次を呼べというようになり、もともと宿にいた幇間たちが佐平次を追い出すよう主人に掛け合います。
浮世床
浮世床は、いくつかの話がまとまったオムニバス形式の落語です。そのうちの「床屋の看板」では、八五郎と熊五郎が床屋の看板を眺めています。八五郎が「海老床の看板の絵は、生きているようだ」と言いました。しかし熊五郎は「これは絵なんだから死んでいる」と言います。
二人が喧嘩になりそうになるとご隠居が通り、この絵が生きているか死んでいるか質問されました。そこでご隠居は、ある理由から「生きてもいないし、死んでもいない」と答えます。
鏡屋女房
大阪・日本橋のある通りに、「おんかかみところ」という看板が立っていました。そこを通った若者たちは「御嬶見処(おんかか みところ)」つまり美女を見られる場所だと思いました。しかし実際は「御鏡処(おん かかみところ)」つまり鏡屋という意味だったのです。
若者たちがのぞくと、美女がいました。そのため若者たちの勘違いは解けません。翌年、美女が見られるとうわさを聞いてやってきた別の人たちが、また同じ店をのぞきました。しかしそこに美女はいません。店の看板も、とある表記に代わっていました。
泳ぎの医者
ある娘が、急に具合が悪くなってしまいました。村には医者がいないため、腕に心配があったもののとある開業したばかりの先生を呼ぶことに。医者は薬を出し帰るが、娘はその薬を飲むと体が焼けただれたようになり、死んでしまいました。
娘の父親は「娘を焼き殺されたから、あの医者を水攻めにしてやる」と、医者を縄でまいて川の中に放り込んみます。命からがら逃げだした医者が家に帰ると息子がある本を読んでいました。それに対し、医者は一言言い放ちます。
鬼あざみ
女房に先立たれた安兵衛は、一人息子の清吉と暮らしています。ある時後妻としておまさを迎えますが、清吉はおまさになつきませんでした。清吉が嘘をついておまさを陥れようとしたことから、安兵衛とおまさは清吉を奉公に出すことを決めます。
十年後、すっかり人が変わったような清吉が家に帰ってきました。あまりの変貌ぶりに安兵衛とおまさは喜び、家に迎え入れます。おまさは風呂に入り疲れを取るように言いますが、清吉が抜いた着物から出てきた財布には、分不相応な金額が入っていました。
かんしゃく
ある男はかんしゃく持ちで、人に怒ってばかりでした。その日も仕事から家に帰るなり、些細なことをあげつらい、奥さんに文句ばかり言います。奥さんはあまりにもそれがつらかったので、実家に帰ってしまいました。
実家では奥さんの父親が話を聞き、男も疲れているのだろうと肩を持ちます。結局奥さんは自宅へと戻されてしまいました。父親の助言に従い、男が文句を付けられないように家事を完璧にします。そして帰ってきた男はその様子を見て、ある意外な本音を漏らしました。
紙入れ
新吉はとある家のおかみさんに迫られてしまいます。しかしそのタイミングで主人が帰宅し、なんとか脱出することができました。新吉は安堵しますが、おかみさんからもらった「いらっしゃい」という紙を入れた紙入れを忘れたことに気が付きます。
逃亡しようと決めた新吉ですが、まずは一度家の様子を見てみようと決めました。すると主人は、新吉を見ても反応が特にありません。新吉は自分の友人の話として紙入れの顛末を話ますが、それでも主人は新吉に怒ったりしません。そこに、おかみさんも現れます。
はてなの茶碗(茶金)
ある男が茶屋で休憩していると、有名な茶道具屋の金兵衛がいました。金兵衛はその茶屋の茶碗を見ながら、「はてな?」と首を傾げています。それを見た男はきっとその茶碗が高価なものに違いないと考え、店に二両も渡して買い取りました。
男は金兵衛の店へ行きこの茶碗は千両の値打ちがあると言い張りますが、店の者はそんな値段で買い取れないと拒否します。すると金兵衛が現れ、自分が首をかしげたのはヒビも入っていないのに水が漏れていたからだと説明します。金兵衛は粋な人間だったのでこれを三両で買い取り、男に親元に帰るよう諭しました。しかしその後、その茶碗には思わぬ展開が待ち受けています。
目黒のさんま
殿様が遠乗りで出かけましたが、弁当を忘れてしまいました。そこにさんまのにおいがただよってきたので「これは何の魚か」と聞くと、「さんまという庶民の魚です」といいます。お腹がすいていた殿様は、さんまを炭火で雑に焼いたものを食べ、その美味しさに感動します。
城に戻ってからまたあれが食べたいと思い、家臣にさんまを用意するよう命じました。家臣は殿様の体を案じて脂をすっかり抜き、骨がのどにささらないようすべて抜き身をぐちゃぐちゃにしてしまいます。それを食べた殿様は、このさんまはどこで用意したのかと家臣に質問します。