打ち上げ失敗に終わった日本のH3ロケット。森永氏は「日本が取り残されるかも」と懸念

打ち上げ失敗に終わった日本のH3ロケット。森永氏は「日本が取り残されるかも」と懸念

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3月8日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター、経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、打ち上げ失敗に終わった日本のH3ロケットのニュースについて意見を交わした。

「今の日本人の生活の主流はアメリカ製品。せめてロケットは国産で!」

日本の新たな主力ロケット「H3」の初号機が7日午前10時37分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられたが、2段目のロケットが点火せず、打ち上げは失敗した。計画では打ち上げからおよそ17分後に搭載した地球観測衛星「だいち3号」を軌道に投入する予定だったが、発射から13分55秒後、ミッションを達成する見込みが無いとして、地上からの指令でロケットを爆破する指令破壊の信号が送られ、打ち上げは失敗した。航空宇宙工学の米本東京理科大教授は「2段目のエンジンには駆動するために電動化を多用するなど、新しい技術が使われている。これらの電気系統に異常があった可能性がある。しかし、破壊によって機体を失っているので、原因の特定は難しい。今回の飛行データから推測するしかないが、原因を究明し、対策をするには年単位の時間がかかるだろう」と話した。

寺島「『H3』は日本の主力ロケットとして、日本の今後の宇宙開発の切り札と位置付けられていました。それだけに今回の打ち上げ失敗による影響は大きいと言われています。なんでも2029年度までに少なくとも24回の打ち上げが計画されていたということなんですよね。国際的な月探査プロジェクトの『アルテミス計画』でも重要な役割が期待されているということだったんですが……」

森永「会見とか見てみると、なるべく早く原因を究明してっていう話がありましたけども、今の記事にもあったように、数年単位になってしまうかも知れないという中で、そうすると20本、30本近く考えている計画も、それだけ後ずれすると大変な話であって、この失敗っていうのは今の時点で何が原因かわからないし、何とも言えないことはありますけども、単純に技術力が無いからそうなっているのか、じゃあ仮にそうだとする場合、例えばアメリカだったら民間が打ち上げたりもするので、何が問題なんだろうと。例えば『科学技術予算が全然振り分けられないから出来ないんです』といったお金の問題なのか、そのあたりもちょっと別軸で原因を究明して欲しいですし、対策を取っていかないと、宇宙開発ってアメリカや中国がどんどん進んでいってるんで、ここもまた日本が入れなくなってしまうのかと」

寺島「中国といえば『長征5号B』とかね、あとアメリカだとスペースXの『ファルコン・ヘビー』ですか?こういったものが先を進んでいるわけですから、それに追いつき追い越せという、こういう狙いが日本にはあって、それも「H2A」よりも安く作ろうという目的があるわけなんですけどねえ」

森永「そうですよね、結局国内でも『やらなくていいや』なんて話になると、例えば『アメリカからスペースXを買えばいいよね』って話だと、結局この20年ぐらい日本がやってきてしまったこと……今我々が大体使っているサービスって、アメリカのウェブサイトだったりするわけじゃないですか。YouTubeで動画観たり、iPhone持ってたりとか。こっちの件もまさにその二の舞になるっていうか、その可能性があるので、そういう意味ではそう簡単じゃないのはわかるんですけど、何とか国産で頑張って欲しいというのはありますよね」

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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