出生数80万人割れ 森永氏「コロナとは関係ない部分の影響も相当大きい」
3月1日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏と寺島尚正アナウンサーが、出生数が80万人割れとなったというニュースについて意見を交わした。
森永氏「明らかに経済政策の失敗による影響もある」
厚生労働省は昨日、2022年の出生数が外国人を含む速報値で前の年と比べ5.1%減の79万9728人だったと発表した。80万人割れは比較可能な1899年以降で初めて。新型コロナウイルスの感染拡大で結婚や妊娠・出産をためらう人が増えた。
人口動態統計によると出生数は7年連続で過去最少を更新した。急減の主な要因は結婚減だという。2019年に60万組を超えていた婚姻数は2020年に53.7万組、2021年に51.4万組に減り、2022年も51万9823組だった。日本では結婚数が出生数に直結するため、この影響が大きい。
コロナ下の経済の混乱も妊娠・出産をためらう要因となった。少子化が進むと日本経済の成長力や、社会保障の持続性を左右する。
国立社会保障・人口問題研究所の人口推計では、出生数が80万人を下回るのは2033年と推計していたが、11年も前倒しとなった。より厳しい条件での推計では、2021年に77万人となって80万人を割る想定だったが、現状はこれに近い状態であるという。
寺島アナ「事態、深刻なようですよね?」
森永氏「そうですね、当然コロナの影響があったのは間違いないとは思います。ただ、いろんな調査を見てみると、たとえば厚労省が出している調査を見ていると、35歳未満で理想の数の子どもを持たない夫婦77.8%が『お金がかかりすぎる』っていうことを理由にしていて、あとは他の研究機関が出しているデータとかを見ても、実際に男性・女性それぞれが結婚した場合に欲しいと思う子どもの数に対して、実際の夫婦の持つ子どもの数がそれを下回っている理由の大部分が経済的なところっていうのを考えると、たしかに今回の急減はコロナの影響があったっていうのは間違いないと思うんですけど、それ以外のコロナとは関係ない部分の影響も相当大きいんじゃないか、っていうのは間違いなくあると思っている。コロナはコントロールできない部分もありますから、そこは仕方がないのかなっていうところもありますけど、そうではない明らかに経済政策の失敗によってもたらされてしまった出生数の減少というところもあるんだというのは、ちゃんと分けて考えなきゃいけないと思うんですよね」
寺島アナ「岸田総理が『異なる次元の少子化対策をする』と言っているんですが、これが期待できるのかどうかですね?」
森永氏「まぁ、どこにお金をかけるのかですよね。子どもを持っている世帯にお金を渡すっていうのをやりがちですけど、それはべつに少子化対策にはそんなにならないと思う。先ほど言った通り、経済的な理由で結婚できない、子どもを作らない選択をしている人たちを救おうとすると、すでに子どもがいる世帯にお金をまいても意味がないので、そういう意味では、そもそも論として全体的な経済成長をさせないとダメなんじゃないかと思いますよね」
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