日本で深刻な卵の価格高騰と品薄問題、世界では食糧危機の火種が!
2月22日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター、経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、卵の価格高騰と品薄問題について意見を交わした。
「食糧危機問題を解消するカギとなるのは?」
鳥インフルエンザの影響で卵の供給量が減り、価格の高騰が止まらない。さらに飼料の高騰も追い打ちをかけている。最近では卵そのものが売り切れの状態が続いている。このニュースに関して森永氏はこうコメントした。
森永「ちょうどですね、再来週ぐらいの公開になると思うんですけど、僕が今やっている『リアル経済学』というYouTubeの番組で、少し前に僕が練馬区内にあるほぼすべてのスーパーを歩いて、卵の価格を全部調査してきたんですよ。そしたら、めちゃくちゃ高いという感想はもちろんあるんですけど、その結果分かったのは、スーパーはかなり競合各社の値段を卵1個あたりで全部見てます!」
寺島「ほお!!」
森永「1個10銭とか、そんなレベルで下値をさして売りに行ってるという熾烈な価格競争が卵には存在しているということに気付きましたね。10銭ですよ?大体1パック10個入りとかだったりするんで、つまり1円とかそれぐらいの差で出て来るんですけど、そのレベルで今各社が少しでも安く卵を売ろうとしています。で、収録中にもあったんですが、ちょっと安売りすると人が殺到して、棚からすぐ卵が消えてしまうと。なので、『安くした代わりに1000円以上買ってください。それだったらこの値段で卵を売ります』とか、結構各社は色んなことをやってますね。これは実地調査して初めてわかったことですが」
寺島「そうですか!かく言う私もスーパーのチラシを『卵いくらかな?』って見ますもんね。一方、世界を見るとロシアによるウクライナ侵攻の影響で、食糧危機の火種がくすぶり続けています。小麦をめぐってはウクライナでの不作が長期化しそうなことに加えて、世界の輸出量に占めるロシア産の比率が上昇し、市場が不安定。農作物の生産に欠かせない肥料の調達難も広がっています。あと紛争・災害に見舞われた国・地域に食糧支援を行っているWFP・国連世界食糧計画によると、去年世界で差し迫った食糧不足に直面した人は、これまでで最も多いおよそ3億5000万人に上っています。前の年より6000万人増えているということなんですが……」
森永「目先の解決策のきっかけになるのは戦争の終了というのはもちろんあるんですけど、じゃあロシアとウクライナの件が終わりましたってなったとしても、こういう地政学のリスクって色んなところに火種があるんですね。日本も含まれていますし。あとは天候だったりとか、感染症だったりとか、こういう不確実性というのはいくらでもあるので、そういう意味では各国とも国内でどれだけ自給自足できるのか、それに対してどれだけ投資が出来るのかというのが今後のカギになると思っています。日本でも賃上げが間に合ってないので、みんなが安い物を買うという行動にも出始めている。この時に財政で短期の部分を支えないと、企業は再びデフレスパイラルに入るわけですよ」
寺島「逆回転していくって感じですね?」
森永「ちょっとでも人件費を抑えて安く売ってやろうと。この動きを止めなきゃいけない。でも今の政権は増税など、逆をやろうとしているので、オイオイオイって状況ですね」
「価格の優等生」といわれた卵の高騰から見えてくる世界の食糧危機。果たして、今の政権はこの問題を解決出来るのだろうか?
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