ふるさと納税が抱える問題。「地方と地方」の奪い合いになってはいけない

ふるさと納税が抱える問題。「地方と地方」の奪い合いになってはいけない

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2月1日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーは「いいの? 悪いの? ふるさと納税」と題してお届け。ふるさと納税といえば前向きな話題も多いが、問題点も数々指摘されている。

西川あやの「改めてふるさと納税の仕組みを簡単にご説明します。たとえば3万円、ふるさと納税したとします。寄付額の30%以内、この場合9000円以内の、地域に根差した返礼品がもらえます。返礼品というのは、人気ランキングが(手元に)あるんですけど、ホタテとか、イチゴとかシャインマスカットとか。シュークリーム、玉ねぎ、お米……」

大島育宙「おいしいものや必要なものですね」

西川「やっぱり食べ物が多い。食べ物のイメージはありますね」

大島「あります。それでみんな冷蔵庫、冷凍庫がパンパンになったとか。同じこと毎年言っています(笑)」

西川「ふるさと納税の問題はところどころで指摘されています。振り返ってみますと、やはり税収がよその自治体に流出するという仕組み自体……」

大島「そもそもそういうものですからね」

西川「自治体からすれば、流出するだけでほぼメリットはない、ふるさと納税での赤字の自治体は全体の25%あると。流出が多い自治体は3位が東京都港区、2位が世田谷区、1位が川崎市となっているんですね」

永井玲衣「もともと地方と都心の税収ギャップを埋めよう、という仕組みであると思うんですね。だから都市部から流出というのは大問題というわけではないんでしょうけど、こんなに赤字が続くとか、あるいはただ手間がかかっているだけとか、そういうのだとまずいんだろうと想像します」

西川「一時はどんなものを返せるかという合戦になっていましたね」

大島「いまもなっています(笑)」

西川「ほかの問題点としては、自治体の魅力とか名産品のあるなしによって、格差が生じると」

永井「これは大問題ですね」

西川「海辺はすごいでしょうね」

大島「そう、海辺。輪郭が入り組んでいる県は得をしていますね。東京のお金持ちの区からお金が出ていくのは、そもそもそういうシステムだから、ある程度は仕方ない。それなりに困っている地方同士の中で、たまたま特産品があるかどうかで大きな格差がついてしまう、というのは……ダメですよ」

永井「うん」

大島「『都会と地方』で、都会が不利になるのはまあ仕方ない。『地方と地方』で、ふるさと納税を導入したことによって不平等が生じてしまうというのは、望んでいた、狙っていたこととは違うんじゃないの、っていう気持ちですね。僕はそこが一番大きな問題だと思います。もともと観光資源や特産品があるところが、より得をするっていう」

永井「私、ふるさと納税関連の記事を読んでいたとき、なんて怖い響きなんだ、と思ったんです。地方自治体の方が『奪わなければ奪われる』と発言されていて。『ふるさと』がひらがなで、ほんわかした感じでみんな『応援したい!』って気持ちで始まっていたのが、いまや『うちのほうが魅力があります!』とか、小学校の悲しい校内ランキングを思い出すような(笑)。『人気者な友達、1位・2位・3位……』」

大島「卒業アルバムのやつね。ホームタウンバトル、みたいな感じです」

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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