なぜ若者は「働きやすい会社」を辞めてしまうのか?調査で見えてきた“キャリア不安”とは

なぜ若者は「働きやすい会社」を辞めてしまうのか?調査で見えてきた“キャリア不安”とは

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働き方改革で労働環境は改善したはずなのに、若者が「働きやすい会社」を辞めてしまう実態に迫った「ゆるい職場 若者の不安の知られざる理由」を著した、リクルートワークス研究所主任研究員の古屋星斗さんが1月30日の大竹まことゴールデンラジオに登場。大竹と意見を交わした。

古屋「いつの時代も若い人っていうのは、異邦人というか異星人というか新人類なわけで、ベテランの方々からは理解されづらいものなのだと思います。今の若者にインタビューを重ねたところ、世代では割り切れない、若者論では語りきれないところがたくさんあるなと。やっぱり職場の状況がベテランの方々と比べて違いすぎる。職場の大きな変化というのはもうおそらく元に戻らないですし、戻してはいけない変化だなと思うんで、それを「ゆるい職場」という言葉で表現しました。」

大竹「古屋さんがおっしゃっている「ゆるい職場」というのは、どの世代の、どういう企業なんですか?」

古屋「私が調査しているのは大企業に入る新入社員を対象に、研究した結果を本にまとめています。不思議じゃないですか?だって労働時間は短くなっているし、有給休暇は取れるようになっているし、ワハラみたいなことは無くなってきてるし、上司も「いいじゃん」という風に言ってくれるわけですよ。それにも関わらず何で辞めるのかなと感じたんです。」

大竹「俺も番組に若いスタッフが来て何か、食おうってなったときは別に参加してもしなくてもどっちでもいいって、最初に振ってるね。「飲み会は出ません」「あー、そうだよね」って、若者の考えてることは分からんねぇなんて言いながら。」

古屋「彼ら彼女らから聞こえてくるのは、私は「キャリア不安」と呼んでるんですけど、職業人生の不安みたいなものなんですよ。つまり政府ですとか偉い人からは、長く働かないといけないと言われてるわけじゃないですか。そういった中で今の職場だと、全然スキルとか自分ができることが増えない。しかも誰もフィードバックをしてくれない。」

大竹「フィードバックって?」

古屋「自分が良くないところはどういうところなのかとか、こういう風にするいいよということを、伝えてくれないということです。その結果、これで大丈夫なのか、転職できるのか、大学時代の友人の方が先に行ってるんじゃないか、と感じている気持ちが聞こえてくるんです。」

大竹「実際に大企業に入った新人たちは、結構辞めてるんですか?」

古屋「そういった悩みを口にされる企業の方々が多くなっていて、むしろやめる人が減ってる会社はないんじゃないかなと思うぐらいです。私の所に相談に来る会社は「3年目までの離職がこの5年で3倍になりました」とか「10人だった離職者が50人になりました」とか、そういうことをおっしゃるんですよ。」

大竹「日本って新卒一括採用で、こんなのアメリカじゃ今全然考えられませんよね。人が足りなくなったら入れる、多くなったら切る。切られた人も別のところにすぐ行けますみたいな。日本は戦後から残像のように新卒を重宝する社会が今日まで続いてますけど、その辺に問題はないんですか?」

古屋「そこは私は日本のいいところかなと思います。世界には若者が就職する時に働き口がないという社会がいくらでもあって、例えばフランスなんかは20%ぐらいが失業して、アメリカも10%以上が失業しますけど、日本は3%台ぐらいなんですよね。だから若者が自分の人生の一歩を踏み出す時に仕事があるというのはとてもいいことだと思うんですが、ただ、かつては新卒で正社員になれば会社が人生の安全安心を保証してくれました。終身雇用って言葉がありますけど、今は終身雇用じゃないっぽいと感じていることが背景にあるのではないかと思います。」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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