村上信五くんと経済クン「7500万円を奪われた…！国際ロマンス詐欺の実態を激白！」

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【漫画家・井出智香恵さん】

井出さんは、過去の作品キャラクターがグッチとコラボしたこともあるレディースコミック界のレジェンド。国際ロマンス詐欺被害に遭い、総額7500万円の被害に遭った。その壮絶な体験を本で執筆した。
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【井出さんの本『毒の恋－7500万円を奪われた「実録・国際ロマンス詐欺」－』】

かつて「レディコミの女王」と呼ばれた漫画家のSNSに届いたハリウッドスターからのメッセージ。
当初はウソだと思い相手にもしなかったが、ある日ビデオ通話をすることに。
そこに映し出されていたのは、まさに映画で見たあのスター俳優だった…。
70歳に女流漫画家が偽りの恋に落ち、借金をしてまで工面した7500万円を失った全記録、
そして悪夢から目覚め、失意のどん底から立ち上がる女の意地と強さをここにすべて綴る。
レディコミの女王が騙された国際ロマンス詐欺の全貌が明かされる…！
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【なぜこの体験を本にしようと思ったのか？】
周りのすすめがあったから。「漫画家なのだからこれを著さなくてどうするんだ！」と言われた。他の被害に遭っている人のためにも書くことを決意した。
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【一連の詐欺被害、その始まり】
Facebookで、映画「アベンジャーズ」ハルク役の俳優、マーク・ラファロさんを名乗る人物から急に連絡が来た。もともと井出さんはマークさんのファンで、映画「アベンジャーズ」の公開前だったこともあり、本人のアカウントに「イイネ」を押していた。最初は信頼せず、「なんだこれは」と思って無視していたが、「どうして信じてくれないんだ」と向こうが怒ってきた。そして、動画で話しかけてきた。井出さんの漫画を持って「君のファンになった」と言われたものだから信じてしまった。ただ、この動画は“ディープエフェクト”というAI技術を使った合成動画だった。井出先生の作品を調べ上げた上で連絡してきた。
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【2018年9月、パソコン上で秘密の結婚式】
３ヵ月以上やり取りをしていた時、「離婚してきた。知っているのは数人だ。今裁判所から帰ってきたので君にプロポーズしたい」と言われた。熱心さと子どもたちを心配する優しさに惹かれて、プロポーズを受け入れる。偽マークが日本に来られなかったため、イタリアに古くから伝わる“血の誓い”をしようと言われた。牧師の前で誓うよりもすごいことだ、と言われた。彼が右手の人差し指、井出さんが左手の人差し指に針を刺して血を出し、パソコン上で手を組み合わせて血が混じったようにする。これで「永遠に結ばれた」ということになり、ここから偽マークは井出さんを「ハニー」と呼び、「君は僕の妻だ。何があっても守り続ける」と言われるようになった。
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【“誓いの儀式”から1ヵ月後、彼から初めて借金の申し込みが…】
「財布を落として飛行機代がない」という連絡が来た。「お金をくれ」ではなく「貸して」であり、およそ14万円と払えない額ではなかったため送金した。出会ってから半年以上お金の話はまったく出ず、急に言われた。しかも離婚のため裁判所にお金を全部差し押さえられている、という理由を言われたため、疑わなかった。ここから井出さんは次々と理由をつけられ、借金を要求されることに。「口座が監視されていて請求書の支払いができない」「ケガの治療費が払えない」「友人が金を盗まれたので助けてあげたい」など…数千ドルずつ金の無心が続き、１ヵ月後には総額1000万円以上を振り込んだ。
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【二人の外国人がキャリーバッグを持ってやってきた！その中身は“真っ黒なお金！？”】
彼は何度も「返す」というがお金は戻ってこない。「もう無理だ、お金を返してくれ」と言ったら、二人の外国人がキャリーバッグを持って家にやってきた。大使館員だという彼らが持ってきたキャリーバッグの中身は真っ黒な札束。目の前で黄色い油のような液体につけて数枚を本物のお金にかえた。全部液体につけると12億円分になるお金がキャリーバッグに入っているという。しかし、後で分かったことだが目の前に現金化したものだけが本物のお金で、それ以外は全て偽物だった。黒いお札“ブラックマネー”の上には白い粉がまぶしてあり、「毒だから絶対に触るな」と言われたので触らないようにしていたが、それも実は小麦粉だった。偽マークは「手元に12億円あるんだから数百万円ぐらい送ってくれ」という手口でお金を求めてくる。このブラックマネーの存在が、さらに井出さんを地獄の境地へと追い込むこととなった。
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【お金を取り戻すためにお金を出す】
お金を現金化するための“オイル”にお金が必要だといわれてお金を出すなど、悪いサイクルに陥っていた。しかしそんな中でも仕事は普通にしていた。ずっと一人で漫画を描き続けていた。不思議なことに、漫画を描いている間はお金のこを忘れて、主人公たちの気持ちになることができた。しかし、仕事の合間に偽マークとやり取りをし、結果的に3年半ほどで6500万円貢いでしまうこととなった。そのお金は、井出さんとコラボしたグッチから入ったお金や自分の貯金、毎月の原稿料のほか、大切にしていた生原稿を売ったり、税理士さんや編集者さんにも借りてなんとか工面した。
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【洗脳がとけた瞬間】
偽マークと出会って３年半が経過した2021年6月に洗脳がとけ、騙されたと気づいた。長女が家に来てお金がないことに気づいたのがきっかけ。そこから長女が知り合いのアメリカの弁護士に調べさせ、パスポートも書類も全部偽物だと突き付けられた。「騙された」と分かった瞬間、連絡をとるのをやめたが、向こうは脅してきた。そこからホワイトハッカーを使って、アフリカのある国に偽マークがいることが分かった。犯人の引き渡し協定のない国で、警察ができることも限られているため、今、仲間と力を合わせてできる限りのことをしている。泣いて終わるということは絶対にしたくない。
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【ロマンス詐欺を経験した上で伝えたいこと】
怪しい人からお金を請求された時は、必ず一人で抱え込まないこと。そして英語ができない場合は絶対に怪しい人とやり取りをしないこと。言葉がわからないからこそ、話の論点がずれていたりおかしいところがあっても気づきにくい。これ以上被害者を増やしたくない。
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実際に経験した人にしか語れない、本当にすごいお話を聴かせて頂きました…！映画の話のようですが、実際に現実で起こったことなんですよね…！「自分が騙されるわけがない」と思いがちですが、「明日は我が身」ですよね。みなさん、共に気を付けましょう！
そして、今回の番組だけでは井出さんの体験はすべてお伝えしきれなかったので…全容はぜひ井出さんの本『毒の恋－7500万円を奪われた「実録・国際ロマンス詐欺」－』でお読みください！！
坂口愛美