「防災アワー」TOKYO強靭化プロジェクト
毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
防災をもっと身近にもっとわかりやすく生活目線でお送りしている番組です。
先月東京都は、防災減災対策「TOKYO強靭化プロジェクト」を公表しました。
今年は「関東大震災」から100年、2040年代までに強靭な都市の実現を目指そうというもので「風水害」「地震」「火山噴火」「電力・通信の途絶」「感染症」の5つの危機への対策を進めます。
例えば地下調節池の整備。
東京の地面の下には、環状七号線の地下トンネルとして有名な「神田川・環状七号線地下調節池」をはじめ、12河川で28箇所の調節池があります。
こちらが先月取材した「神田川・環状七号線地下調節池」
地下トンネルに水を引き込むことにより、浸水被害が激減しました。
トンネルの途中には子供たちが描いた絵も…。
都はこれまで調節池でおよそ264万㎥(25mプールおよそ8765杯分)の貯留量を確保して、洪水などからの減災につなげてきましたが、さらに新たな調節池を整備する計画です。
これまで1時間に50ミリの非常に激しい雨にも対応してきましたが、1時間に75ミリ、局地的には100ミリの雨にも耐えられる可能性があるということです。
予算は23年度からの10年間で6兆円、総事業費は15兆円を見込んでいます。
さて、2023年1月のゲストは「タイムライン防災」の第一人者・東京大学大学院客員教授の松尾一郎さん。
1月8日の放送は「AAR」After Action Review=「自然災害への対応の検証と改善~振り返り」の必要性を語ってくださいました。
災害は毎年のように起こっていますが、その地域にとっては初めての対応。
同じ災害はないので、どんな災害でも終わった後は、必ず教訓や課題があると松尾先生は話します。
去年8月、大雨災害発生直後の福井県に松尾先生も入り、県の防災関係者や市町村、気象台、国の機関と「AAR」を始めました。
そして、今年の出水期に向けて、地域が一体となって取り組むことになったそうです。
松尾先生は「国・県・市町村・国民それぞれの役割があって、ちゃんと動けば命は守れる」と話します。
聞き逃したという方はぜひradikoでお聞きください。
気象予報士・防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子