ここがヘンだよ!?日本のアニメ
ノンフィクションライターの石戸諭と、女装パフォーマーのブルボンヌを迎えた1月6日放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」。
「きょうのクリエイティ部」では「アニメにおける人種問題」について取り上げた。
今や世界中から愛されるようになった日本のアニメ。多くの人がファンになった一方で、昨今では「人種差別なのではないか」と一部の表現が疑問視されているという。
その事例として「ドラゴンボール」のミスター・ポポ、「約束のネバーランド」のクローネ、「ワンパンマン」の超合金クロビカリ、「サイボーグ009」のピュンマ、「ポケットモンスター」のルージュラなどが挙げられる。
これらのキャラクターは、目や唇の誇張・肌の色・筋肉質という容姿設定や、頭が良くないという性格のキャラ設定などもあり、黒人への偏見を描いているとして海外から批判の声が上がったという。
また、NHKで放送されたアニメ「魔入りました! 入間くん」の英語版の声優を務めた、アメリカのライアン・コルト・レヴィ氏は「色白・金髪など、キャラクターが全員白人にしか見えない」と発言し、日本のアニメにジェンダーや人種など多様性が足りていないと考えて、強く改善を求めたという。
ブルボンヌ「キービジュアルとか見せていただくと、言わんとすることはわかるけど、でも金髪だけじゃなくて、青とか緑とかピンクの髪の人もいて、これは日本のアニメの基本というか。『なんで日本人風の設定なのに、みんな髪の色がこんなに派手なの?』って。みんなすごい色になってるのよ」
石戸諭「悪魔界の話なんですよ、『魔入りました! 入間くん』は。悪魔界の話を描くのに人間世界の設定をどこまで入れるのかっていうのは、これはなかなか『どう考えたらいいんでしょうか?』っていうふうにもなりかねないよね。ただ、言わんとしてることはわかるんですよ。人種のジェンダーバランスとか、女性のキャラクター設定とか、多様性の足りなさっていうのは、それはその通りですね」
ブルボンヌ「たぶん作り手としては、いまアメリカ系は、そういうことから全体のキャラクターマップみたいなのを作ると思うんだけど、日本は『どういうのがウケるか』ってことを前提にしているから、女の子だったら無口な子と活発な子を用意しよう、とかそういうふうに作っているから、人種とかのことはあんまり考えてないと思うよ」
西川あやの「たとえば『プリキュア』とかって、すごく多様性を意識してアップデートされているっていう話を聞いたことがあって、メキシコ人と日本人の両親を持つキャラクターが、作品の中ではハーフとかミックスとかダブルとかの表現を使わないで描かれているそうですよ」
石戸「いまの漫画の世界で言うと『映像研には手を出すな!』に出てくるキャラクターは、未来の設定っていうのもあるけど、当たり前のように両親の国籍が違っていたり、肌の色とかも多様になっていたり、その辺の描き分けは重視しているかな。あと、日本っていう設定もあるから日本の文脈とかもすごく大切にしていて、あれは良いと思いますけどね」
西川「もちろん意識してアップデートを続けている作り手の方もいらっしゃるし、そういう作品もあるっていうことは事実ですよね」
さらに、海外からの批判に対する日本のアニメファンからの反論や、日本人の人種差別に対する関心度などについても話した。
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜〜金曜の午後3時30分〜5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6kHz、radiko)で放送中。また、radikoのタイムフリー機能では1週間後まで聴取できます。
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