岸田総理が防衛費の拡大と増税について語る「防衛力は5年かけて強化」

岸田総理が防衛費の拡大と増税について語る「防衛力は5年かけて強化」

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1月3日(火)に『「後藤謙次 Point of Viewスペシャル」岸田総理に聞く~2023年・この国の行方』(文化放送)が放送された。番組では、岸田文雄内閣総理大臣にインタビューを行い、「安倍元総理銃撃死事件後に見る最大派閥の漂流、党内パワーバランスの行方」、「防衛予算の大幅拡大と増税の行方」、「国内経済に多大な影響を与える次期日銀総裁人事の行方」に関する話を伺ったほか、「総理大臣特権の行使~内閣改造と解散総選挙の行方」、2023年5月に開催される「G7・広島サミット~世界が注目する議長国として発信するメッセージの行方」にも焦点を当てた。アンカーマンは共同通信元編集局長の後藤謙次氏が務めた。

ー「防衛予算の大幅拡大と増税の行方」について

後藤謙次氏:昨年、税制調査会で防衛費増強の財源問題について、最大派閥の中で意見が割れる。あるいは総理に真っ向から批判的な見解を示す人がいる。これが一気に収束をしていきましたけれど、これについて総理ご自身はどう捉えられているのでしょうか。

岸田文雄内閣総理大臣:昔から党内で活発な議論が行われる、これが自民党の良き伝統だと思っているので、色々な意見が出た、激しい議論が行われたということについては自民党として良いことだと受け止めなければならないと思っています。ただ、あの議論で思うことは、決して増税が目的ではなかったわけです。やはり日本の防衛力、急速に悪化している日本の安全保障環境の中で我が国の防衛力をどう強化していくのか、そして、それをどう維持していくのか、これが議論の目的だったということは忘れてはならないと思います。そのためにどうあるべきなのか、この5年間で抜本的に防衛力を強化していこうということで、一昨年の暮れから、もう1年以上かけてこうした議論を積み重ねてきました。防衛力強化の内容、予算、財源。この三つを去年の暮れまでに決めて国民に明確に示すんだということを訴えてきた。1年間かけて議論を積み重ねてきたわけです。そして、「防衛力自体はしっかりと強化する」といったことで合意した。ただ財源について、議論の中でさらに追加で必要とされる4兆円程度のお金について、4分の3は政府が努力をして予算の効率化等で賄う。しかし、残りの4分の1の足りない部分についてはどう賄うか、これが昨年の大きな議論になったポイントです。その足りない部分を国民の皆さんにお願いして皆で支えることにするのか、国債を発行して未来の世代に付けまわしてしまうのか、これが議論されたわけです。増税というと、国民の皆さん誰でも増税は勘弁してもらいたいと言うかと思いますが、この増税の議論は今言った「未来に付けまわすか」、「今頑張るか」という議論だったということ。これはしっかり振り返って確認しておかなければならないと思います。

後藤:ただ、国民の中には議論について、総理および政府の説明がちょっと甘かったのではないかという批判があってですね。それが世論調査にも反映されるということがあるのですが、今年の通常国会でどう説明され、国民を納得させるのかといったところをお伺いしてもよろしいでしょうか。

岸田:一昨年から1年間議論を積み重ねた結果でした。その間、有識者会議も立ち上げました。野党の皆様からもご提案をいただきました。そして、その上で政府として考え方をまとめて、文書の改定については与党のワーキングチームに議論してもらいました。税金については与党の税制調査会で議論してもらいました。こうしたプロセスを1年間かけて行ってきたわけですが、多くの国民の皆さんはそのプロセスを全部見ているわけではありませんから、初めて聞いたと思われる方も多い。これは現実だと思います。ただ、プロセスも含めて1年間、政治の場でどんな議論が行われたかということについて、引き続きしっかり説明していかなければならないと思いますし、結果としてどういう考えで防衛力強化の全体像を作ったのか、全体像のありようについてもしっかり説明していく。これは今年も引き続き行っていかなければならないと思います。防衛力は5年かけて強化します、そしてその後も未来に向けてこれを維持していかなければなりません。そして、その目的は私たちの平和な暮らし、そして経済や幸せを守るために必要かどうかということです。そのためにこういった議論をしたということ、これを今年も説明し続けていきたいと思っています。

ー「G7・広島サミット~世界が注目する議長国として発信するメッセージの行方」について

後藤:今年はいよいよ5月19日に、広島でG7サミットが開かれます。やはり日米を固めるということがG7議長国として、会合そのものを成功に導く基本だと思います。そのためには訪米という日程が当然上がってくるかと思いますがこれについてはどのようにお考えでしょうか。

岸田:国際秩序が混乱する中で、G7の存在感、需要性はますます高まっていると思っています。このG7において世界経済、ウクライナやインド太平洋といった地域情勢、経済安全保障、気候変動、保険あるいは開発。こういった地球規模の課題について議論をしなければならない。そしてその議論をリードするのが議長国でありますから、G7広島サミットにおける日本の役割は大変需要だと思っております。そして、そのためにも日米同盟をより盤石なものにしておく、これは国際社会において発言力を増すためにも重要だと思います。今年早いうちに日米同盟の強化、確認のためにもアメリカに行きたいと思います。もちろんアメリカだけではなく、他の参加国各国に事前に足を運んで信頼関係を作っておくことも大事だと思っています。

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