刑務所で湿布は使わない!法務省矯正局医師・おおたわ史絵が語る塀の中の医療
12月28日放送の「くにまる食堂」(文化放送)は、総合内科専門医で、法務省矯正局医師のおおたわ史絵さんが出演し、刑務所の受刑者たちの診療の実状についてお話しいただいた。
野村邦丸アナ「今回、おおたわさんが出された本が“プリズン・ドクター”。そもそもなぜ法務省矯正局医師になられたのですか?」
おおたわ史絵「自分で医者として残りの人生どのくらいのことができるのかな?と漠然に思っていた時に、知り合いを通じて、法務省のほうから塀の中のドクターが足りないけど、興味ないですか?と誘われました。面白いかもと思って、見学に行ったら、もっと面白くなって、やりますと言ったんです。それで、5年くらい経っちゃった」
邦丸「罪を犯して、罰を受けている人が入るのが刑務所。罰を受けてるなら、医者はいらないのでは?という見方もありますが…」
おおたわ「刑務所は懲役という制度があって、彼らは工場とかで働いているわけです。労働力として働くことで、社会貢献という形でお詫びをして返している。だから、彼らが刑務所にいるには、働いてもらわなきゃいけない。働くためには、精神と体が健康じゃないといけない。そのための役割が私たちにあるんです」
邦丸「本を読んで驚いたのが湿布の話。ねん挫した時などに、湿布を貼りますけど、刑務所には湿布がない?」
おおたわ「私はすべての刑務所のことをわかっているわけではないですけど、概ねないです」
邦丸「なんで?」
おおたわ「湿布は頑丈なんですよ。あれを細かく割いて、ひも状に結べば、人の首を絞めたりとか、悪いことに使える。だから、基本的に包帯も使わないですね。鎮痛剤は塗り薬や飲み薬がほとんど」
邦丸「へ~」
「くにまる食堂」は平日朝11~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。