【ゲスト回】伊東潤さんご出演!歴史小説の名手の仕事術『長尾一洋 ラジオde経営塾』12/26(月)放送

【ゲスト回】伊東潤さんご出演!歴史小説の名手の仕事術『長尾一洋 ラジオde経営塾』12/26(月)放送

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約9,000社の企業に携わってきた経営コンサルティングのエキスパート長尾一洋社長が、悩めるビジネスマンのお悩みを解決している当番組。

今回は小説家・伊東潤先生をゲストにお迎えしました!

長尾社長との対談の一部をご紹介します。

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■ゲストに伊東潤氏

今回ご出演いただいたゲストは小説家・伊東潤先生。

史料への深い見識と洞察、そこから浮かび上がる人の姿を生き生きと描き出す、歴史小説やノンフィクションの名手です。

小説家の道に入る前はマネジメントやコンサルティングなどのお仕事をされていたという、ビジネスのプロフェッショナルでもあります。

【伊東潤さんプロフィール】

※公式WEBサイトより抜粋
1960年、神奈川県横浜市生まれ。

早稲田大学社会科学部卒業。日本アイビーエム株式会社を経た後、外資系企業のマネジメントを歴任。2003年にコンサルタントに転じて2006年に株式会社クエーサー・マネジメントを設立。

2007年、『武田家滅亡』(角川書店)でメジャー・デビュー。2010年に専業作家となって今に至る。

■伊東潤先生の新刊『一睡の夢 家康と淀殿』

最初の話題は2022年12月に刊行されたばかりの新刊『一睡の夢 家康と淀殿』(幻冬社)について。今までにない新しい”家康像”が描かれた超本格歴史小説です。

すでに読了したという長尾社長も絶賛!

長尾社長:
家康の視点と淀殿の視点が交互に出てきて。
帯に『新しい家康像』という言葉がありますが、今まではあまり描かれていなかった関ヶ原から大阪の陣までの間の動きが描かれている、素敵な内容でした。

伊東潤さん:
やはり関ヶ原が終わった後から大阪の陣までを描いているところにポイントがあります。
今おっしゃったように、あまり(その年間を描いた)作品が無いんですよ。せいぜい司馬遼太郎さんの『城塞』くらい。
この作品の特徴は、家康と淀殿のデュアル視点という形で、交互に視点が出てくること。
こういった手法を取ると、対決色が強くなり駆け引きも面白くなるので、そういう手法で書きました。

長尾社長:
案外、関ヶ原から大阪の陣までは長かったなという。
パーっと歴史を追っていくと、そこはもうすぐ行ったようなイメージがありますが、『一睡の夢』にはそこに至るまでのいろいろな駆け引きややりとりが克明に書かれていてすごく面白かったです。

伊東潤さん:
そうですね。関ヶ原終わってから大阪の陣までが15年。
その間に家康は、いかに大義を掲げながら後ろ指をさされないように天下を自分のものにしようかと、いろいろ細かく考えて駆け引きしていったんですね。
その経緯がかなり細かく書かれているので、面白いとは思いますね。

長尾社長:
本当、今まで知らなかった「ああ、こういうやり取りがあったのか!」と。

■現代にも通ずる『継承』というテーマ

松尾アナからは家康とデュアル視点で描かれる人物が、豊臣秀頼ではなく、淀殿である理由についての質問がありました。

松尾アナ:
家康と秀頼ではなく、家康と淀殿という対立構造にしたのはどうしてだったんでしょうか?

伊東潤さん:
そこはですね『継承』というのがこの作品のテーマでありますから。
家康から二代将軍の秀忠へ。
そして淀殿は、なんとか秀頼に父親である豊臣秀吉の天下を継がせたいという思いから、いろいろ考えて行動に移していくわけですね。
そういう意味で、継承というのがいかに難しいか。家康自身も、「こいつに天下を譲っていいのかな」と思いつつ、いろいろ試行錯誤しているという。
今、継承問題でお困りの方も多いかと思いますけど、そういう方に共感していただけるのかなという気もします。

長尾社長:
たしかに!その苦悩みたいなものもずっと描かれていますしね。

伊東潤さん:
従来、家康は狸親父イメージが強く、すべて策謀、すべてわかっている…みたいな描かれ方をしていたんですが、必ずしもそうではなく、いろいろ迷いながら天下を奪取していく道を歩んでいったことがよくわかると思うんですね。

長尾社長:

この前に『天下大乱』という作品があって。
これは関ヶ原を描かれているんですが、その時は家康と毛利輝元と。
またこれが毛利輝元が相手にきているのが、またこれも面白くてね!
ぜひ続けて読んでいただくといいですよね。

■史実・定説・独自の解釈

伊東先生の歴史小説といえば、細密で立体的な情勢の描写も大きな魅力の1つ。

歴史を小説で表現するというお仕事について、さらに教えていただきました。

松尾アナ:
小説を書く際、事実の部分とフィクションの部分ってあると思うのですが、伊東さんはそれをどんなふうに織り交ぜているんですか?

伊東潤さん:
私の場合は、史実と認定されている一次資料で書かれていること、これをまず尊重するようにします。
で、その下に”定説”と呼ばれる、偉い先生方が唱えている説があるんですね。それが正しいのか吟味して。定説を適用する場合も多いんですけれども、それ以外にもやはり自分の解釈というものを使っていくことが多いんですね。
ですから、一次資料に書かれた史実、定説、そして自分の解釈という三段階で物事を切り分けて考えて、1つずつのエピソードを書いていく手法になりますね。

■「Twitterは我慢しない!」歴史小説の名手の仕事術

話題は”仕事術”へ。

2022年は6作品7冊を上梓された伊東先生。濃密な内容の書籍を生み出し続けるバイタリティはどのように維持されているのでしょうか。

松尾アナ:
お話の中に”手法”という言葉が出てくるのが印象的で。
もともとコンサルティングなどをなさっていたからか、小説も戦略的にロジカルに書かれているのかな?という気もしましたがいかがですか。

伊東潤さん:
まあ、そうですね(笑)。

やはり前職が前職なだけに、そのあたりはしっかりプランニングして、自分の手法というのを確立した上でやっているので。
ある意味もう工程管理がされているので、生産性の高さに通じているのではないかと思います。

長尾社長:
もうね、多いですからね。本がどんどん出てくるから!

松尾アナ:
で、また、1冊1冊が分厚い!

長尾社長:
そうなのよ!伊東さんを前にして言うのもなんなんですが、持ち歩きがちょっと大変(笑)。

伊東潤さん:
できないですね(笑)。


松尾アナ:

締切の管理などは大変じゃないですか?
大量の仕事をこなす、伊東さん流のコツがあれば教えてください!

伊東潤さん:
やはりしっかりスケジュールを管理して。
これは◯日くらいでできるというのを、自分でエクセルで厳密に計算してやっているんですね。それだけは守っていこうと。
でもね、Twitterとか適当にやってますよ。経験でわかったんですけど我慢しちゃダメなんですよ。

「今日は絶対Twitterやんないぞ!」とか、そういうふうに思わないです。もう10秒Twitterやって10秒書いて…とかね。
だから常にTwitterにいるように皆さんには思われているんですけどね。いいねしたり(笑)。

長尾社長:
いつもありがとうございます(笑)。

伊東潤さん:
我慢せずに結構やりたいことはやる感じで。そうすると小説書いている時に、気づいたら3時間くらい集中できていることもあるんですよね。

伊東先生はTwitterのコメントは必ず返すようにしているそう。
リスナーの皆さんも伊東先生をフォローして、作品や放送の感想などをつぶやいてみてはいかがでしょうか。

■長尾社長の著書『デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門』を読んで

長尾社長が伊東先生の著書のファンである一方、伊東先生もまた長尾社長の著書を読んでいらっしゃるとのこと。

長尾社長の新刊『デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門』の感想もお聞きすることができました。これもある種のデュアル視点!?

伊東潤さん:
いやあもうね、本当に感服したというか。新しい時代のIT、中小企業のIT戦略というのはこうあらねばならないということが、すごくよくわかる本ですよね。

長尾社長:
ありがとうございます。流石に元IBMの人に言われると嬉しいですよね(笑)。

伊東潤さん:
(笑)。僕も営業戦略的なことのコンサルタントを、ベンダーと呼ばれる代理店さん中心にやってきた経緯がありますので。
SFA(セールスフォースアナルシス)の世界は非常に身近に感じるということもありましてね。

松尾アナ:
まさに中小企業の経営者と向き合う当事者でいらしたということなんですね。
そのお仕事の中で、中小企業の経営者の方の気持ちを「もっとこうしたらいいよ」という行動に向けられるような工夫はありましたか。

伊東潤さん:
いや、難しいですね。
人それぞれIT系が好きな人と、それほど好きじゃない人もいるんですが、やはり経営者になるとどうしてもITは二の次になってしまって。会社の経営がメインになりますのでね。
中小企業の場合は、かつては情報システムの担当者が会社の情報システムを握っていましたが、今はクラウドなどができて、まったく時代が変わってきましたよね。
特に今回の長尾さんの著作では『ノーコード』という言葉がキーワードですよね。

長尾社長:
やはりベンダーとかに依存しちゃうとなかなか進んでいかない。社内のシステム担当とかも抱え込んじゃってますもんね。

伊東潤さん:
“人質”というと言い方が悪いですけども、社内の人は「社内システムは自分しかわからない」ということを強みにしていくところがある。
ベンダーはやはり外部ですから「言われたことはやるけど自分からはなかなか提案しない」ということですけど。
やはり経営者の方がIT戦略に関わるというのは、ノーコードの時代になってからですね。変なコンプレックスなどを抱かずに、どんどん関わっていって欲しいなと思いますね。

長尾社長:
本当ですよ。伊東さんに言っていただくと、頑張ってノーコードを推進していきたいと思います!

■リスナーの皆様へ伊東先生からのメッセージ

番組の最後には、伊東潤先生からリスナーの皆様へメッセージが贈られました。

伊東潤さん:

みなさん、今の時代というのはウクライナ戦争であるとか、台湾の問題とか、これから非常に多難な時代が我々の元に訪れてくると思うんですね。
ただそういった多難な時代であっても、やはり大切なのは正義を掲げること。
それだけはみなさんの心に留めてほしいなと思っております。

番組では他にも、デビュー15周年を迎えた伊東先生の思いや、これからの作品展開について、大河ドラマ談義など様々な話題が飛び出しました。

ぜひradikoやPodcastから全編をお楽しみください!

■長尾社長へのご相談を募集中!
『長尾一洋 ラジオde経営塾』では、パーソナリティ長尾一洋へのご相談やメッセージを募集しています。お仕事のお悩みや、経営戦略、店舗経営のご相談などに長尾一洋が番組内でじっくりご回答いたします。
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