原発再稼働について日野行介記者に聞いた。日野「方針転換というよりは、今まで心の中に潜めていたもの」
12月23日の大竹まことゴールデンラジオでは、政府は22日、原発の新規建設や60年を超える運転を認めることを盛り込んだ「GX(グリーン・トランスフォーメーション)実現に向けた基本方針案」をとりまとめた。というニュースを取り上げ、日野行介氏と電話をつなぎ原発再稼働の問題について聞いた。
大竹から、日野に対し原発建設への方向転換に対する意見を聞いたが、これはどうやら方向転換ではないと日野は語る。
大竹「今日の新聞ではあちこち全部原発が一気にこの年の瀬に、建設の方に方向転換という記事がたくさん出てますけど、日野さんはどんな風にお考えになってますか?」
日野「ずっと20年以上原発を取材しているせいかもしれないんですけども、既視感ばかりを感じているという感じですね。事故前のことを振り返ると、当時原発ルネッサンスという形で、脱炭素というか、温室効果ガスを抑制するために原発を利用しなきゃいけないっていう議論はすでに出ていた。ここに来て、今だったら出しても国民の反発は少ないだろうと見込んで一気に出してきたんだろうっていう印象ですね。だから方針転換というよりは、今まで心の中に潜めていたものを、一気に吐き出したっていう感じがしてます」
大竹「いつ出そうかって思ってたんだけど、このウクライナ問題が大きくなってエネルギー問題が大変なことになってるこの時期だ!と思って今出せば大丈夫!みたいなことなんですか?」
日野「そうだと思いますね。歴史を振り返ることが大事だろうなと思います。原発に関していつもそう思うんですけど、過去の歴史を見てると事故が起きてはまた揺り戻して、今だったら出せるみたいな形で、バンと看板だけ出して結局、実は伴わないで最初の工場は24回延期されているとか、全然現実は動いてない。もんじゅは本当にこのままいけば、廃炉になるということだけど、現実は全く動いてない中で、看板だけがいつも言葉を多少入れ替えて前に出てくる。これを繰り返しているだけ」
大竹「もんじゅとかプルサーマルとか、あれ動くんですか!?」
日野「いや、明確にそういうふうに役人の人から言われたわけじゃないんですけど、現実に動いたら困ると思ってると思う」
大竹「どういうこと?」
日野「虚構というか、そういう話があるから大丈夫なんだよってことが大事なんであって、存在がこれからできるという話があることが大事なんだと」
大竹「じゃあもう幻想じゃないですか?」
日野「そうです。虚構です。フィクションです。原発はほぼ全てフィクションだと思ってます」
大竹「しかも、今回は年末に発表があったわけだけど、市民たちに問うたり市民たちの意見だったりは大きく反対に傾いてたはずですよね」
日野「これも繰り返しですね。参院選の時に一応自民党の公約の中で、原発の活用っていうので1行ちらっと入ってるんですよ。再稼働これから進めていきますよっていうのを言い出したのは確か参院選の3日後か4日後でしたよね。これも既視感があって2013年の参院選の時も同じことやってるんです。原発事故の被災者の、避難指示解除を、ひっそりとずっと下準備を進めてきて参院選で自民党が勝って、ねじれ状態を解消してから一気に進めたことがあった。またこの手を使ったなと思う」
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