宮台真司「僕自身は落ち着いていました」 襲撃事件の被害を振り返る
12月21日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに東京都立大学教授、社会学者の宮台真司さんがリモート出演。11月29日に被害を受けた襲撃事件を振り返った。
大竹まこと「事件のあらましですが、救急車が到着するまでに50分もかかったと。その間、いろんなことを考えたとも伺っています」
宮台真司「事件が起こってから救急隊の到着までが40分で。ただそこから救急車に搬送されるまで、さらに10分かかったんですね。これはどこの大学でも同じですけど、ちゃんとした安全保障のシステムがない。現場の横を救急車が通ったのはだいたい事件から10分後ぐらいだった。そのあと構内のどこで事件が発生して、そこに救急車でアクセスするにはどこを通れば、というガイダンスがなかったんですね」
大竹「ああ~!」
宮台「救急車が近くに来たな、と思ったら、遠ざかって。大学の辺りをまわっているの(サイレンの音)が聞こえたんですね。結局、現場から300メートル離れた正門の下の大きな道路に救急車が止まり。そこで担架を使って搬送されるプロセスも、距離があって、ゆっくり動くので、そこで10分かかったんですね」
壇蜜「(合計)50分……」
宮台「とても長かったです。救急車、来ないのかな……と思ったし。大学の保健室の先生が応急的に何枚もタオルを使って止血をしてくれるんですけど、アゴ、頬、耳にかけて15センチ近く、深く切られているので血が止まらなくて」
壇蜜「おお……」
宮台「『タオルもっと持ってきて!』と叫んでいるのも聞こえました。僕自身はなんていうんでしょう、落ち着いていましたね。その理由は2つあって、1つは年がら年じゅう、脅迫や殺害予告のメールや、大学の研究室にメモを差し込まれる、みたいなことがあって。日常茶飯事で慣れているので、大学当局や警察にも届けずにいたんです」
壇蜜「はい」
宮台「結婚したのが17年前、それから7年間ぐらいはけっこう警戒していたんですが、そのあとはハッキリ言えば緩めて、油断したんですね。だから変な話ですけど、油断しなければよかったな、想定されていたのにな、というふうに思いました。同じことで、想定されていたのだったら、もっと警戒すべきだったし、人通りのない道を通るべきじゃなかったな、と」
大竹「うん」
宮台「あともう1つ。小さいときの、僕の母親の教育(が理由)なんでしょうね。ウクライナの兵隊さんを思いなさいと。もっと酷い状況に遭った人たちがたくさんいると。ロシア側にもいるでしょうけど。それに比べたら大したことはない、と思うようにして。不安な状況に耐える、ということをしていましたね」
壇蜜「そうやって考えていられたんですね。意識が朦朧として、ではなく」
大竹「そうだね。すごいと思う」
宮台さんはほかにも事件当日の様子、現在の回復状況などを教えてくれた。「重傷だが命に別状はない」といった報道には違和感もあったようだ。詳しくはradikoのタイムフリー機能にて。
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