森永康平「日銀の大規模緩和の修正について、黒田総裁の思惑とは?」

森永康平「日銀の大規模緩和の修正について、黒田総裁の思惑とは?」

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12月21日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーターの経済アナリスト・森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、前日の20日に日銀の黒田総裁が発表した、大規模緩和の修正について意見を交わした。

森永氏「黒田さんが緩和をやめたという論調は、ミスリードだ」

日銀は19日から20日の金融政策決定会合で、大規模緩和を修正する方針を決めた。長期金利の変動許容幅を従来の0.25%程度から0.5%程度に広げた。長期金利は足元で変動幅の上限単位で推移していて、事実上の利上げを意味すると市場は受け止めている。これについて森永康平氏は黒田総裁の思惑を分析した。

森永「黒田総裁の決断には僕もビックリしましたが、ほぼ全メディアの受け止め方が『事実上の利上げなんだ、緩和をやめたんだ』ぐらいの感じで報じているので、それは違うんじゃないの? とは思いましたけどね」と語る。

森永「黒田総裁は『今回の件は景気にはまったくマイナスにならない』といいましたが、それには珍しく異論を唱えたいと思います。例えば今回の修正によって、よく言われているような住宅ローンの金利が一気に急騰してしまうことはまず無いし、仮に金利が上がったとしても住宅ローンの変動金利自体は無制限に月額の支払いが増えるなんてことはなくて、ちゃんとそこは上限が決まっているルールがあったりもするんで、煽り記事のようなものに出ているような『日銀が金融緩和を解除したから、変動金利も危ない!』みたいなことは即座に起こることはないです。ただ、実際10年ものの金利は昨日の時点でかなり上がった事実はあって、それを受けて企業が融資を受ける際の金利であるとか、住宅ローンの金利が下がることはないので、それを受けても『景気にマイナスはない』と言い切るのは無理があるかな?とは思いますね」

寺島アナ「そうすると黒田総裁はどういう意味で許容幅を上げたのでしょうか?」

森永氏「簡単にいえば、いわゆる債権の利回りというのが一般的に償還されるまでの期間が長ければ長いほど高くなります。そういう意味では償還期間は残存の期間が短いところから長いところにかけて、基本的には右肩上がりのカーブになると考えていただきたいんですけども、これが10年債のところが国債を買っているせいでポコッと下に落ちてる。通常の状態からすると歪な形になっているわけです。それはおかしいよねっていうところで、今回、10年債のところの変動幅を引き上げたと。その結果、そこの金利が上がって、ある意味カーブが通常の形にはなりました。これが多分正しい捉え方で、黒田さんが金融緩和を辞めてしまったとか、利上げをしたんだみたいなことを報じ過ぎているのが、ちょっとミスリードかなって気はしますね」

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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