日本の労働生産性27位 “国際比較”というデータのマジック
12月20日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、日本の労働生産性が27位に後退したことについて意見を交わした。
田中氏「安易な国際比較はダメ」
日本生産性本部が12月19日に発表した2021年の日本の時間あたり労働生産性は49.9ドル。経済協力開発機構(OECD)に加盟する38カ国中27位だった。
時間あたり労働生産性は就業者が働いて生み出した付加価値を1時間あたりで指標化したもので、購買力平価に換算し国際比較している。
日本は、アメリカ(85.0ドル)の6割弱の水準にとどまり、エストニア(51.0ドル)やラトビア(48.6ドル)などとほぼ同じ水準となった。
「アメリカと比べるとかなり低いですけど、この数字はどうでしょう?」(寺島アナ)
「2021年はコロナ禍の真っ盛りですから、短縮勤務しかできないパートやアルバイトがいっぱい増えてましたよね。さらに円安が進行していることによって、購買力平価での計算自体がかなり歪んでいるんですよね。そういったことを除いていくと、そんなに悪くないですよ」(田中氏)
さらに田中氏は、もう一つこのデータの問題点を挙げた。
「“国際比較”ってのは曲者ですよ。先進国間で比べると大きく歪みます。労働生産性で比べると、失業率が高くて生活に困っている国よりも日本の方が低くなってしまう。なぜかというと、パートやアルバイトで働く人たちが増えると、家計にとっては補助収入が増えているのに、時間あたりの労働生産性は激減するんですよ。そういったマジックがありますので、安易に国際比較しちゃダメなんです」(田中氏)
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