宗次郎エッセイ「故郷の原風景」に込められた想い 『宗次郎 オカリーナの森から』
文化放送で毎週土曜午後17時15分から放送中の『宗次郎 オカリーナの森から』。
パーソナリティはオカリナ奏者の宗次郎さんです。
エッセイ「故郷の原風景」の朗読と、そこに込められた想いを語る。
西川 今週は宗次郎さんに朗読を聞かせていただきます。どんな朗読を聞かせていただけますか?
宗次郎 2010年に始まったこの番組も12回目の4月を迎えました。こんなに長く続けられたのはひとえにラジオをお聞きの皆さんのおかげだと心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。今回は15年前になるんですけど、オカリナ生活30年を記念して出させていただいた『宗次郎オカリナワークス1975—2005〜飛駒の空から〜』という写真エッセイ集に掲載しました「故郷の原風景」というエッセイを読ませていただきます。
〜エッセイ「故郷の原風景」を朗読〜
西川 「故郷の原風景」を「昔むかしの物語(はなし)を聴かせてよ」をバックに「故郷の原風景」を朗読していただきました。
宗次郎 このエッセイはですね、僕の地元の茨城の自宅なんですけど、そこからちょっと行ったところにある山村の中の藁葺き屋根の風景があるんです。自分で撮った写真があるんですけどね、その藁葺き屋根の写真のために書いた文章なんです。この藁葺き屋根の家が大好きでして、時々時間があるとこのお家を見に行ったりしてたんです。庭先に洗濯物が干してあったりして、下の斜面には畑もあったりして。すごく山村のいい雰囲気のところで、実は自分もこういうところに住みたい、この家に住みたいと思っていたくらい大好きなお家だったんですね。三世代の家族の顔が浮かんでくる感じで、自分の子供の頃を思い出すような感じだったんです。そういうこともあって、この家のことをちゃんとエッセイ集にも載せたいと思い文章を書いたんです。
西川 今『宗次郎オカリナワークス』のお写真を見せていただいているんですけれども、私、藁葺きのお家での生活っていうのがなかなか想像できないんです。冬は火を焚いて暖をとるんですか?
宗次郎 そうですね。まず家に入ると下は土間になっていて、毎日掃き掃除をするものですから、光ってるくらいの綺麗な土間があるんです。畳の部屋の手前には囲炉裏があったりして、普段はその囲炉裏で火を焚いているんです。冬場は火を焚いていれば煙がいっぱい出るんですけど、その煙が防虫効果っていうかね、火を焚くことによって藁葺き屋根のお家も保たれるんです。誰も住んでいないとどんどん傷んでいっちゃうんですけど、毎日人が住んで火を焚いて煙が出ているといい状態になるんです。なので、囲炉裏のそばに、よく大黒柱って言いますけど、欅の大きな柱があったり、周りが黒光しててすごく歴史を感じるような、威厳があって誇りを感じられるような、そういう空間があるんですよね。夏は土間だったりするからひんやり涼しいんですよ。夏でも、炭を入れておいたり、鉄瓶をぶら下げてお湯を沸かしたりしていると思うんですが、一年中囲炉裏のそばには火があったりして、炭の真っ赤に燃えている情景が浮かんでくるとすごくあったかい感じがありますね。
西川 はい。そのお家の写真は『宗次郎オカリナワークス』に収録されています。
宗次郎 ぜひ機会があったら見ていただきたいと思います。
番組の最後にはリクエストに応えて、アルバム『nature music 日本』から「さくら貝の歌」を聞かせていただきました。
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