「体も心もボロボロに…」北京五輪ソフトボールで413球の剛速球を受け止めたキャッチャーが大舞台の裏側を明かした
北京・東京の2つのオリンピックで金メダルを獲得!女子ソフトボール日本代表のキャッチャーとして活躍した峰幸代さんが12月12日のくにまる食堂にご来店。高校時代から様々な大会で優勝してきた峰さんにとっても、大エースである上野由岐子投手との出会いは鮮烈だったという。
邦丸「最初に上野さんが投げる球を受けた時は、どんな感じでした?」
峰「高校3年生の冬に、合宿に一緒に参加したんですけど、(上野さんは)当時120kmぐらいの球を投げてたんですよ。「まずじゃあストレート投げるね。そこに構えといて。」って言うので構えてたら、いつの間にはかバシッて球が来て、すごく痛かったんですよ。でも、「痛い!」とか「うわーっ」とか顔に出しちゃダメじゃないですか。だから「ううん~」って思ってて、こっそり手を見たら手のひらがもう真っ青に。」
邦丸「赤くじゃなくて青くなってんの?」
峰「それでその晩は「手のひらが痛い!いやでも、これで明日も受けるのかな?どうなんだろうな?」って思って寝たんですけど、次の日の方がもっとハプニングで。手のひらが痛いだけではなくて、手のひらから首まですごい衝撃を受けてたんですよ。今までになかった大ダメージを受けて、手も握れない、腕も上げられない状態になったんです。」
邦丸「ひえー。ちなみにソフトボールのピッチャーが投げる120キロというのは、野球のピッチャーの球速に例えるとどのぐらいの体感速度になるの?」
峰「かける1.4倍と言われてるので、ということは…。」
邦丸「120 × 1.4 = 168キロ?それをいきなり受けたわけでしょ。この先どうなるんだと思ったんじゃない?」
峰「思いました。高校ソフトボールで日本一になってますが、もうステージが違う。もっと頑張んないとっていう気持ちが湧いて、「今まで自分に甘かった!心を入れ替えなきゃダメだ」ってことに気づきました。」
邦丸「それでキャッチングのためにどんな練習をしたの? 」
峰「バッティング用のマシンを速いスピードに設定して、とにかく取るタイミングを掴む。その練習をしながら、上野さんの生きたボールを取る。やっぱり人が投げてるボールとマシンって全然違うんです。そこで体を強くして、スピードになれて、受け止める力をつける。1年目はそういう練習をしましたね。やっぱ耐えなきゃいけない、止めなきゃいけない。でも120を止めに行くとすごい疲れるんですよ。それにあの姿勢じゃないですか。もう姿勢が悪い状態で筋トレしてる感じです。」
邦丸「よく北京オリンピックでは、2日間3試合の413球も受けたね。」
峰「あのときは20歳だったので、割と体は元気だったんです。その場はアドレナリンが出てたのかすごい元気だったんですけど、終わった後の体と心の状態は、本当に今まで感じたことない経験でしたね。ボロボロになりました。」
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