「防災アワー」今年の災害「新潟県村上市と関川村の豪雨災害」を振り返る
毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
防災をもっと身近にもっとわかりやすく生活目線でお送りしている番組です。
今月は鈴木純子アナウンサーと今年の自然災害を振り返っています。
今年の夏も大雨災害に見舞われた日本
8月前半には前線性の大雨などにより、北海道・東北・北陸・近畿地方の日本海側を中心に、51水系156河川が氾濫(内水氾濫含む)、184件の土砂災害が発生しました。
このうち8月3日・4日に被災した新潟県村上市と関川村の豪雨災害について、住民の方へのインタビューを中心にお送りました。
こちらは関川村湯沢地区の松岳寺・渋谷正淳(しぶや・しょうじゅん)住職
線状降水帯が発生し、1時間に149ミリという記録的な豪雨に見舞われ、浸水・土砂災害など大きな被害に見舞われました。
渋谷住職は「雨の音以外は何も聞こえなかった、ザーじゃなくてドーという音、30センチぐらいの水が境内を流れていき、もう危険で外には出られない。
過去帳とか袈裟など大事なものを2階へ避難させた。午前2時頃裏の崖が崩れた。ザンっという音がして、同時に電気が消えた。明け方4時半ごろにはもう水が引けていた。
慣れっていうのが一番恐ろしい。このお寺に来て2年半弱 最初は怖かったが慣れてくる。今回も逃げなかった。雨の音にも慣れるし、あれだけ降っても大丈夫だったんだから今度も大丈夫だろうと。いつでも新鮮な気持ちでいないといけない。雨が降ったらおっかないんだよと…」と話してくださいました。
9月5日に伺った際は、浸水した床を直している最中で、まだまだ復旧には時間がかかりそうでした。
一方、村上市小岩内地区は土石流などに襲われ8棟が全壊、全34世帯に今も避難指示が出ていて、仮設住宅に移った方もいます。
松本佐一区長は、発災時「34世帯、起きるまで戸を叩いて全員避難させた。今回は犠牲者が出なかった。それが一番よかった」
「危険でここに住めないなら、周辺の安全な場所に固まっていられれば…。家を建てたいけど高齢者は住宅を建てる余裕はない。
国には精一杯の支援をお願いしたい」と話していました。
ちょうど取材に伺った9月4日には岸田総理も視察に訪れていました。
仮設住宅を入居前に取材させてもらいました。
見学に来ていた住民の方は「ありがたいけど、なんて説明すればいいか…空間がない。ご飯食べるところもお茶飲むところもない。家族4人、贅沢はいえないけど…ちょっとせつない」と。
今年の出水期は終わりましたが、毎年のようにどこかで起きる大雨災害。
備えておきたいものです。
聞き逃した方はradikoでぜひお聞きください。
気象予報士 防災士 気象庁担当記者 伊藤佳子