電気料金の大幅な値上げ 必要な措置とは?
12月8日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、大手電力5社が家庭向け電気料金の値上げを申請したというニュースについて、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏が寺島尚正アナウンサーに意見を伝えた。
藤井氏「メーカーや研究機関も潰れていく」
東北・北陸・中国・四国・沖縄の大手電力5社による家庭向け電気料金の値上げ申請を審査する経済産業省の有識者会議の初会合が開かれた。来春の経産省の認可後に5社が値上げを実施する予定だという。
会議では、この5つの社長がそれぞれ申請内容を説明し、ウクライナ危機の長期化で火力発電用の燃料調達コストが急増していることなどによる値上げに理解を求めた。
5社が申請したのは来年4月から平均で28〜45%の大幅な値上げ。経産省は経営合理化の取り組みや保有資産の活用状況、燃料調達コストなどの妥当性を厳しく精査して値上げ幅の圧縮を図る考えだ。
このニュースについて藤井氏は「28〜45%ですよ?すごいことですよ。公表されているベースで申し上げると、たとえば京都大学の工学部は実験をしないといけないので、四六時中(電源を)つけていないといけない機材がいっぱいあるんです。研究費の中から、その電気代を出すんですけど、これがものすごい負担なんですよ。大学の経営を考えたら、ここまで(電気料金が)上がったら新しい研究は無理ですね。出張も行けない。京都大学だけでもそうなんですから、メーカーさんなんてみんなそうなんですよ。発電会社も潰れるのを回避するために、こうやって(料金を)上げざるを得ない。だって、輸入しているものが高くなっているんだから。だとしても、メーカーや研究機関も潰れていく」と述べた。
続けて、電気料金高騰への対策について話した。
「それなら28〜45%の引き上げ分の金額を全て期間限定でいいから出してあげればいいんですよ、電力会社に。緊急措置だ、と。そしたら京都大学も助かるし、ということは全てのメーカーも助かるし、全ての家計も助かるんですよ。それは電力会社を支援しているのではない。電力会社に払っている多くの民間の人たちの支援になるんです。しかもその支援額は電力料金に100%比例するわけですよ。こんな効率的なお金の使い方ないですよ。そのために予備費なり補正予算を使えばいいんですよね。足りなくなったらもう一度補正予算組めばいいんですよ。そこを政府はやるべきだ」(藤井氏)
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