青木理「敵基地攻撃能力を反撃能力ってある意味“ごまかし”」
敵基地攻撃能力が反撃能力に言い換えられたように政府による言葉の“言い換え”は昔から数多くある。12月6日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」では、ジャーナリストの青木理さんが政府による言葉の“言い換え”について解説した。
西川「今回、敵基地攻撃能力を反撃能力のように中身は同じなんだけど名前を変える政治的動きっていうのはちょこちょこあることですか?」
青木「ちょこちょこありますね。古くだと1990年代に議論になった盗聴法。憲法で通信の秘密を保障しているので盗聴は禁止してるんだけど、それを犯罪捜査でやるんだっていった時、メディアでは盗聴法って言ってたんだけど、政府が通信傍受法に変えました。それ以外にも最近だと共謀罪はテロ等準備罪。要するに共謀罪っていうと、ちょっと話しただけで捕まっちゃうんじゃないかってイメージになるけど、テロ等準備罪って言われたら、テロを準備した奴は悪い奴だって話になるし…」
西川「共謀と準備って結構違いません?」
青木「違いますね」
西川「指してるものが違う」
青木「それと戦後の日本の矜持で武器輸出三原則っていうのがあったわけです。それを事実上“骨抜き”にするっていうことを始めた時、武器輸出三原則だとイメージが悪いと政府が考えたのでしょう。防衛装備移転三原則って言い出しましたよね。武器じゃなくて防衛装備だと」
西川「輸出のことを移転?」
青木「最近問題になってるマイナンバーカードも元々は国民総背番号制って言われてたわけですよ」
西川「へ~」
青木「事実上、国民全員に番号をふるわけだから国民総背番号制っていうのが、ある意味、問題の核心をついてるんだけど、それだとみんなの背中に番号を書くみたいでイメージ悪いってことなのか、マイナンバーっていう言葉を編み出したわけですよ」
西川「なんか横文字にするとね…」
青木「だから今回の敵基地攻撃能力から反撃能力にするっていうのも、ある意味“ごまかし”、あるいは政府にとってもみれば、このイメージだと支持が得られにくいからちょっと変えてマイルドにしましょうみたいな…」
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