東京オリンピック・パラリンピックのテスト大会を巡る談合事件 総額は192億円
11月28日、東京オリンピック・パラリンピックのテスト大会に関する業務の入札をめぐる談合事件で、新たに大手広告代理店博報堂をはじめとする4社が独占禁止法の疑いで捜索対象となった。11月29日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、このニュースについて、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏が寺島尚正アナウンサーと意見を交わした。
「日本企業のみなし公務員に対する意識の低さが露呈」
電通や博報堂などを含む9社と1つの共同企業体が落札した、各競技のテスト大会に関連する業務の入札をめぐり、東京地検特捜部と公正取引委員会は業者間で談合が行われた疑いがあるとして、独占禁止法違反の疑いで捜査を進めている。電通はすでに25日に家宅捜索を受けており、今回新たに博報堂、東急エージェンシー、イベント制作会社のセイムトゥーとフジクリエイティブコーポレーションが捜査対象となった。
容疑の対象は、大会組織委員会が各競技のテスト大会の計画立案業務の委託先を選ぶために2018年に実施した26件の入札。落札した各社はその後入札を伴わない随意契約の形でテスト大会の実施・運営や本大会の運営業務などを受注し、その総額は公表されているだけで192億円に及ぶという。
このニュースについて、田中氏は「これだけ各種の業態を巻き込んでくると、全貌を知りたくなっちゃいますよね。どこまで広がるのか、政治のほうにも広がるのかどうか、関心を持っています。古典的な談合をやっていて、しかも日本の代表的なスポーツイベントになったオリンピックを舞台によくやるなあと。金額もかなり大きいですし、どうしちゃったのかなという気がしますよね」と、事の深刻さを感じさせるコメントを残した。
さらに、発注元の組織委員会に電通から出向した職員がいたことに注目。「つまり、発注元と発注先が同じ人間だということですね。これを初期の段階で防げなかったこと自体が甘いんでしょうね」と一刀両断。寺島アナは「大会組織委員会はみなし公務員ですからね」と補足すると、田中氏は「みなし公務員に対する日本の企業の意識の低さ、そしてコンプライアンスの滅茶苦茶ぶりがよくわかりましたね」とコメントした。
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