日本代表いよいよ今夜初戦!ドイツをよく知る内田篤人さんに訊きました

日本代表いよいよ今夜初戦!ドイツをよく知る内田篤人さんに訊きました

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 FIFAワールドカップカタール大会は、いよいよ今夜日本代表は初戦を迎えます。

 文化放送では大会期間中、現地カタールで取材するドイツ在住のサッカージャーナリスト了戒美子さんが随時レポート。

 久保建英選手の前日の様子、そしてドイツをよく知る元日本代表の内田篤人さんに了戒美子さんがドイツ代表のことをいろいろ訊いています。

 ドイツ戦は日本時間11月23日午後10時キックオフ!

 


photo:Yoshiko Ryokai

 

日本代表はいよいよ今夜23日、今大会初戦を迎えます。相手は2大会前のブラジル大会優勝国ドイツです。

日本代表は初選出の選手も含め、過去の大会初戦前に比べて圧倒的に落ち着きがあるように見えます。若い選手にも初々しさは見られません。前日取材で久保建英選手は「うまくいかないことがあると焦ることもあると思うけど、うまくいかないことが当たり前の相手。守備にまわるつもりでやってきていないし、押し込まれた場合に守備に回るのはしかたがないが、最初から守ろうと思って守れる相手ではない。牙を見せることは大事」と言います。自分たちが格下であることを認識しつつも、決して胸を借りる、立ち向かうといったニュアンスではなく勝ちに行く決意が感じられます。

でも、所属クラブを考えればドイツを相手に選手達が落ち着いているのは当然のこと。今回の全26人のうち海外組は19人、国内組7人のうち3人は海外経験者です。海外組19人のうち7人がドイツ1部でプレーしており、2部には1人。海外経験者の3人のうちひとりがドイツを経験しています。

ちなみに2018年ロシア大会では23人中海外組は17人、そのうちドイツ組は経験者、2部も含んで7人。2014年ブラジル大会では23人中海外組12人、そのうちドイツ組は経験者含んで8人。これが2010年南アW杯まで遡ると23人中海外でその当時プレーしていたのは4人で、ドイツ組は長谷部誠のみ。すでに帰国していた大久保嘉人、稲本潤一を含めてドイツ組は3人でした。南アW杯以降一気に海外組が増え、海外組もドイツでプレーすることも、全く珍しいものではなくなり、ドイツに慣れた、それが今大会の日本代表です。今や日本代表選手達は日頃から戦っているので、全く欧州のチームやドイツを恐れる必要がなくなりました。

当日のスタメンを考えると、心配な点は負傷者。前日までの練習と発言を見る限り、守田英正、遠藤航、浅野拓磨らは厳しそう。冨安健洋の状態も気になるところです。ただそれも杞憂に終わるならば、守田、遠藤のダブルボランチでシステムは4−2−3−1で行きたいはずです。前線には前田大然か浅野を置いてプレスをかけにいくでしょう。ドイツは右サイドの人選に難航しているようで、負傷明けのクロスターマンが入るのかホフマンが入るのか、どちらにせよ本職でない選手。日本にとっては攻め込むポイントになりそうです。

ドイツ戦、私は正直なところ敗戦やむなしと思っています。ドイツの各クラブは今季欧州CLで好調で4チームが決勝トーナメントにあがっているというのも根拠の一つです。全体にトップ選手達が調子を上げているように見えるのです。3戦トータルでどうにか勝ち点を重ねて勝ち上がりたいと思いますが、内田篤人さんに話を聞いてみると全く逆の見解でした。内田さんは現在U-19日本代表のロールモデルコーチを務めています。現役時代はドイツのシャルケで7年シーズンプレーし、ドイツ杯優勝やCLベスト4を経験しています。

「オレは、ベスト16は行けるんじゃないかと思っているんだよね。ドイツには勝てると思うよ。今のドイツは最終ラインが安定していない。メンバーも安定していないし、ビルドアップもぎこちなく見える。ドイツといえばなんだかんだいって守備力、最終ラインの強さがストロングポイントのはずだけどディフェンス登録に1人もバイエルンの選手がいない。バイエルンの選手が多いのが特徴のドイツ代表なのに最終ラインに1人もいないというのは、やはり弱点だと思う。だけど、中盤でバチバチやりあう試合になってしまったらダメ。相手の中盤はゴレツカとかキミヒ、ギュンドアン。そんなやつらとまともにやりあったらやられてしまう。狙い目は最終ラインとの駆け引きに持ち込むことかな。あと、ムココとかムシアラとか若いタレントがいつも出てくるのがドイツの特徴。そいつらが結構活躍したりするからね。まあ日本がベスト16にいくにはドイツとコスタリカに勝って勝ち点6でスペイン戦を迎えること。スペインは強いから。フォワードが今ひとつ?とか関係ない。うまいし強いし穴がない。なのでスペイン戦は負けてもいい状態で臨みたい。最初の2戦2勝、これしか上に上がる方法はないんじゃないかな」

日本代表だけでなくドイツ代表にも旧友が多くいる内田さんはとても試合を楽しみにしているようでした。

キックオフは間もなく!

 

Text&Photo

了戒美子 Yoshiko Ryokai

映像制作会社勤務からサッカー取材を開始。五輪は2008年北京五輪、W杯は2010南ア大会から現地で取材。2011年からドイツに拠点を移し、ブンデスリーグ、ヨーロッパで活躍する日本人選手を精力的に取材し、雑誌、新聞、WEB、ラジオなど媒体を問わず活躍中。

 

 

「ニュースパレード」では大会期間中、了戒美子さんから現地レポートを交えながら大会結果をお伝えしていきます。「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」内、平日午後5時~5時15分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

また「ニュースパレード」はPodcastでも配信しています。

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