「ルッキズム」から考える「誰も傷付かない社会」
ノンフィクションライターの石戸諭と、女装パフォーマーのブルボンヌを迎えた11月18日放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」。
本日は「ルッキズム」について取り上げた。
「きょうのクリエイティ部」では「ルッキズム」について考えた。
「ルッキズム」とは、見た目や容姿を指す「ルックス」と「イズム」を合わせた言葉で、日本語では「外見至上主義」と訳される。具体的に、見た目で人を判断する、容姿を理由に差別することを言う。
今回、「ルッキズムがなぜここまで問題視されているのか」をスタジオで掘り下げた。
ルッキズムから発生した問題点として、「就職など外見とは関係ない能力評価に不平等を起こす」「ルッキズムが男女差別を助長させる」「過剰なダイエットなど健康被害に繋がる恐れがある」といった意見が挙げられる。
近年この手の話で取り上げられるのが「ミスコン」だが、国内外のミスコンで様々な動きがある。
今月、アメリカのニューハンプシャー州で開催された「ミスコンテストミスグレーターデリー」でトランスジェンダー女性のブライアングエンさんが優勝した。ブライアンさんはアメリカのミス100年の歴史の中で史上初のトランスジェンダーの優勝者で、賞品の王冠と賞金110万円の奨学金が授与された。ただブライアンさんが他の出場者の2倍以上の体格だったため、否定的な意見が殺到していて、SNSにも誹謗中傷の投稿も続いているそう。
ブルボンヌ「私も彼女の写真を見たけど、“これは色々言われるな”ってわかったの。今ほら、世の中の流れに対して、“うちはこれやってますよ!”みたいな発信をどれぐらいやるか色んな意見が飛び交う中で、彼女に関して言うと、“トランスジェンダーであること”“プラスサイズであること”“有色人種であること”、“そういうものを持った人をあえて優勝させること”の意図が透けて見えてしまう感じが“バックラッシュを引き起こすんじゃないかな?”ってぐらいわかりやすく伝わる感じがしたんだよね。」
石戸「これは主催者側が気をつけなきゃいけないことの一つで…わかりやす過ぎるぐらいわかりやすい突っ込み所が出てきいる。残念ながら今のルッキズムに対する問題は、いろんな反フェミニズム的なバッシングとの相性もいい。“とにかく突っ込んでやろう!”という人が世界中にいるわけで、そういうのから本人を守るためにも主催者側が丁寧に扱わないと。」
西川「(ミスコンは)頑張っている若い女性を応援しようというプログラムでもあるんですよね。誰も得しない感じになっている所は残念な話ですよね。」
日本でもルッキズムを意識した動きがあった。毎年7月に開催される愛知県一宮市の一宮七夕まつりでは、当初から続けられてきたミスコンテスト「ミス七夕」「ミス織物」を今年から廃止にした。自治体で女性の容姿を評価するミスコンを廃止する動きが加速している。
大学のミスミスターコンテストでも、見た目だけで評価しない形を模索するところが増えている。
西川「誰も傷つかない社会を目指してみんな意見交換してるんだけど、それに対して誹謗中傷が生まれちゃったり、どっかの企業や大学のイメージが悪くなったりっていうことが起こっているんですね。」
このコーナーでは、「ルッキズム」についての考え方や美についての考え方など、さらに深掘りをして紹介しています。気になる方はradikoのタイムフリー機能でぜひお聴きください。
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜〜金曜の午後3時30分〜5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6kHz、radiko)で放送中。また、radikoのタイムフリー機能では1週間後まで聴取できます。
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