中国失速は「日本にとってチャンス」 世界的な景気後退で存在感を示せるか
11月16日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、中国をはじめとする各国で景気後退が予測されているというニュースについて、水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏が寺島尚正アナウンサーに意見を述べた。
森永氏「人によって受け取り方が変わる」
QUICK FactSetの民間予測によると、2022年の中国の実質成長率は3.3%。年初の予測から1.8ポイント下回った。新型コロナウイルスを封じ込めるゼロコロナ政策などの影響で、今年春に景気が急激に悪化。夏場に出てきた持ち直しの兆しが足元でしぼんでおり、消費は11月に入っても鈍いという。また、アメリカやヨーロッパは歴史的な物価高で急速な利上げを迫られ、2022年から2023年にかけて景気後退に入るという予測が広がっている。なお、日本は7月〜9月期に4四半期ぶりのマイナス成長に陥った。
「このニュースを報じた日本経済新聞は、中国の成長率の低さを受けて『世界の牽引役がいなくなった』と論じています。この点についていかがでしょうか」(寺島アナ)
寺島アナの問いかけに対し、森永氏は「このニュースは人によって受け取り方が変わるのではないかと思っています。日経新聞では世界の牽引役がいなくなったという報じ方をしていますが、そもそも中国に世界経済を引っ張ってもらおうという考え自体どうなのかと思います。ロシア・ウクライナ戦争やコロナの影響を受け、各国ではなるべくサプライチェーンは国内回帰させて、外部から影響を受けない仕組みを作ろうという動きが始まっています。また、中国やロシアなどルールを守れない国は分けて考えましょう、という流れがアメリカを筆頭に進んでいます。今までは安い人件費を使ってとにかく利益を追求してきましたが、これからはルールを守れる人たちの中だけでやっていきましょう、という形に変化しています」と、世界経済の構造の変化を指摘する。
続けて、森永氏は「たしかにデータで見ると、牽引役になっていた中国がいなくなるという表現になりますが、日本人として捉えるのであれば、日本にとってチャンスなんじゃないかと思います。(世界経済の構造の変化は)新しい枠組みの中で再び日本が経済的な存在感を示すための、ちゃんとしたきっかけになり得ると思います。中国がいないと困るという受け取り方ではなく、むしろチャンスなんじゃないのと、個人的には思います」と、現状を前向きに捉えた。
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