「再教育よりも増税回避」 転職支援に750億円、必要なのは費用負担ではない

「再教育よりも増税回避」 転職支援に750億円、必要なのは費用負担ではない

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経済産業省が転職支援と同時に、再教育の費用を補助する仕組みを2023年春から導入することが明らかになった。11月7日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、このニュースについて、月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏が寺島尚正アナウンサーに意見を述べた。

上念司氏「求人熱の高い状況を作った方が早い」

日本では転職した際に賃金が下がることが少なくなく、これがデジタルなど成長分野に労働力が移動しない要因のひとつになっている。経済産業省は新たな仕組みの導入に向けて、2022年度第2次補正予算案におよそ753億円を計上。転職時のスキルアップまで支援することで。雇用の流動化を加速させる狙いだ。専門家への相談から再教育、転職完了までを一気通貫で支援する方向で詳細を詰めており、個人や転職エージェントを対象に転職費用の一部を負担するという。

この動きについて、寺島アナから問いかけられると、上念氏は「この『転職した際に賃金が下がることが少なくなく』というのは、これまでデフレ的な環境が続いてきたからという話で、アベノミクス以降はそうでもないそうです。ある経営者から『うちは新卒採用よりも第二新卒採用に力を入れているんですよ。某大手企業は給料が安いので、そこで2〜3年教育を受けた人たちを転職フェアで採用するとかなり即戦力が居る』という話を聞いたことがあります」と転職時の賃金差に目を付けた例を通して、現状を指摘する。

続けて、上念氏は「753億円の予算ということは補助金を配るんでしょうね。これで天下りの覚悟をしろということなのかわかりませんが、民間企業の方で『求人熱』が上がると(民間企業が)『四の五の言わずとりあえず来い』というような状況になるので、政府はそういう状況を作った方が早いですよ。ただ、政府は今まで求人熱が加速する前に、消費税増税をしたりで(景気の加速を)抑えちゃうわけですよ。現在も増税の話をしていますが、再教育にお金を使うよりも増税をやめた方が良いかなと私は思います」と政府の動きに懸念を示した。


「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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