防衛費倍増へ、財源どうする? 見積もり総額48兆円「いかに危機感が足りなかったか」
防衛省が2023年度からの5年間に必要な防衛費を総額48兆円程度と見積もったことがわかった。11月4日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、このニュースについて、金曜コメンテーターでクレディ・アグリコル証券チーフエコノミスト会田卓司氏が寺島尚正アナウンサーに意見を述べた。
会田氏「自然の税収増で賄うことが重要」
現在の中期防衛力の整備計画では、2019年度から5年間の防衛費を27兆4700億円ほどとしている。2023年度からの予算48兆円はその1.7倍に相当。岸田文雄総理は防衛費の相当な増額を掲げており、自民党は5年以内に防衛費を国内総生産(GDP)比で2%以上増やすよう求めている。
このニュースについて、会田氏は「見積もりが48兆円で、年平均は10兆円ほど。現在の防衛費は6兆円ほどですから、(防衛費の)倍増に向けた動きだということになります。ということは、今までいかに有事に対して危機感が足らなかったのか、ということがわかります。有事が起きた時にこれだけの倍増見積もりが出てくるわけですから、そこ(有事)に向けたしっかりとした防衛費の増額と、危機に対する備えをやってもらいたいと思います」とコメント。
また、寺島アナが「防衛費の財源について、どのように賄えばいいとお考えですか」と問いかけると、会田氏は日本経済の状況を踏まえて自身の見解を述べた。
「(財源は)国債です。有事の時は、日本の都合で待ってくれなんてできませんので、5年間で防衛費を倍増するという計画であれば、財源は当然国債になると思います。この5年の間に、日本経済をデフレ不況から完全に脱却させて、しっかりと成長パスに戻していき、自然の税収増で防衛費を賄っていくことが重要です。一方で、増税をして日本経済を粘らせてしまうと、日本経済の力が衰えてしまいますので、これは防衛力の減退につながることになってしまいます。増税はすべきではないと思います」(会田氏)
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