中国からの輸入依存脱却へ「レアアース泥」採掘 上念司氏は懸念「相場が今後も高止まりするなら採算取れるけど」
政府は小笠原諸島・南鳥島沖の水深6000メートルの海底に確認されている「レアアース泥」の採掘に乗り出す、と読売新聞が報じた。10月31日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)ではこのニュースについて、経済評論家の上念司氏と寺島アナウンサーが意見を交わした。
「海の底で掘るのって結構大変ですからね」
レアアース泥とは、電子機器の生産に必要不可欠なレアアース(希土類)を豊富に含む泥のこと。2012年に南鳥島沖の排他的経済水域の海底で確認されており、埋蔵量は国内消費量の数百年分相当と推定される。
採掘にはすでに試験が成功している世界初の技術が用いられる。今年8~9月に茨城県沖で行われた試験では、地球深部探査船「ちきゅう」が深さ2470メートルの海底まで揚泥管を伸ばし、1日約70トンの泥の吸い上げに成功。来年度以降にはポンプの強化や延長など技術開発を進め、1日350トンの採掘を目標にしている。
政府は5年以内に南鳥島沖での試掘を行い、レアアースを中国からの輸入に依存している現状からの脱却を目指す。寺島アナが「これは大事ですよね」と話を振ると、上念氏は「すごいんですけど」と賛同しつつ、懸念を示した。
「採算取れるんですかね。レアアース相場が今後も高止まりするなら、採算取れると思うんですけど、果たしてどうか」(上念氏)
世界初の採掘技術はあっても、コストが見合わなければ事業は継続できない。上念氏は期待を示しつつ、不安があると指摘した。
「掘れば掘るほど赤字だったら長続きできないですから、掘って黒字にならないと難しいですよね。中国は地上で掘れますけど、海の底で掘るのって結構大変ですからね。石油の採掘みたいにプラットフォームを作るんでしょうね。できたらすごいな、と思いますね」(上念氏)
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