特定条件下での「完全な自動運転」が来年4月に解禁 嶋津洋樹氏は危惧「不測の事態っていうのは起きるわけで」
警察庁は10月27日、特定の条件下で運転を完全に自動化する自動運転の「レベル4」の運行許可制度を盛り込んだ改正道路交通法の施行を2023年4月に予定していると明らかにした。10月28日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)ではこのニュースについて、ストラテジストの嶋津洋樹氏と寺島尚正アナウンサーが意見を交わした。
「道路は自由自在に動けて、人も自転車やオートバイもいる」
「レベル4」は、走行ルートなど特定条件下において運転手がいない「完全な自動運転」を解禁するもので、車を安全に停止させるところまでをシステムが担う。実用化が想定される分野は、遠隔監視のもとで特定のルートを走る無人巡回バスや自動配送ロボットなどで、自家用車は当面の間、対象外となる。
政府は2025年度を目処に、全国40ヵ所以上の地域で無人輸送サービスを普及させる目標を掲げている。寺島アナが「なんかこれ、映画で見るような感じですけど」と驚きを表すと、嶋津氏も「まさかその時代になるとは」と実感が沸かない様子だ。
また、寺島アナが、ゆりかもめで無人運転が実現し、山手線はこれから自動運転にしていこうとしていることを紹介すると、嶋津氏は、それらと公道の自動運転とを同一視できないのでは、と疑問を投げかけた。
「電車ってモノレールでも鉄道でも、レールの上を走るので、自動運転の可能性といえば比較的ハードルは低そうなんですけど、道路は自由自在に動けて、人も自転車やオートバイもいて、他の車も全部が自動化されているわけではないので、当然不測の事態っていうのは起きるわけで。なかなかハードルがすごく高いと思います」(嶋津氏)
不測の事態の中には、車の立ち往生だけでなく事故による負傷者の発生のおそれもある。無人巡回バスの運行が想定されているのは過疎地で、事故対応に時間がかかるおそれもある。嶋津氏は「事故が起こったときに誰に責任を負わせるのか、という問題もありましたよね」と不安を述べた。
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