『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』著者・山内マリコが執筆依頼を受けたときの心境
10月24日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、この日は「オールユーミンスペシャル」として、松任谷由実(荒井由実)さんの楽曲、特集をたっぷりお届けした。
10月27日に『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』が発売される。特集コーナーでは著者である山内マリコから、執筆依頼を受けたときの心境や、松任谷さんと自身との重なる部分などが語られた。
西川あやの「小説を出すというオファーが来たとき、どのような心境でした?」
山内マリコ「昨年の2月かな、編集さんから連絡が来て。『山内さんがいいんじゃないか』と推薦してくださっていたんです。ユーミンも私が書いた小説を何冊か読んでくださって、『この方にぜひ』という感じでおっしゃっているというのを知って『ドヒャー!』ですよ」
西川「昨年2月!? いやすごい本なんですよ、情報力、いろんな裏付けというか。ユーミンの少女時代だけでなく、その時代の音楽的なことはもちろん、文化的なことまで知ることができる」
山内「インタビューだけじゃなくて、背景が見えるような。どういう空気だったのか、みんなどういうふうに生きていたのか。ちゃんと書き込まないと見えてこないなと思ったので、1個1個、歴史を遡って描(えが)いています。90年代に日本のポップミュージックがJ-POPと呼ばれるようになったけど、そこにいたるまでに歌謡曲、フォーク、ロックもあって。そうやって少しずつ形が整ってきた。その中でユーミンが果たした役割というか……大きいですよ」
西川「取材を重ねていく中で、山内さんご自身とユーミンさんとの違いや共通点などは感じましたか?」
山内「『ユーミンは都会の象徴』みたいなイメージがあって。私はけっこう正反対で、地方出身者の女の子が都会に出てきて何者かになりたかったけど、挫折して戻ってきました、みたいな話を書いてきた。だけど以前、岡崎武志さんの『ここが私の東京』という本をたまたま読んだことがあって。いろんな作家さんの状況物語を書いているんですけど、その最後がユーミン、松任谷由実さんだった」
西川「はい」
山内「『ユーミンは東京出身なんだけど八王子という都心からは離れた場所に生まれて、多摩川と浅川という2本の川を越えて、毎日都心にやってきている。都会に出る度、上京しているようなものなんだ』というふうに書かれているのを読んで、そういう部分では共通する部分もあるし、少女ユーミンが都会に出たがる気持ちもメチャクチャわかる。私も富山だから行くところ限られたし……。あくまで『ユーミンの半生を描いた小説』なんだけど、自分の作家性を入れることもできる。お互いWin-Winというかベストマッチだな、と思う依頼だったので二つ返事で『やらせていただきます!』と」
特集の中では、ここでしか聴けない松任谷さんと山内マリコとの特別対談も行われた。radikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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