若手職人の育成には、まず◯◯◯を作成すべし!『長尾一洋 ラジオde経営塾』10月24日(月)放送

若手職人の育成には、まず◯◯◯を作成すべし!『長尾一洋 ラジオde経営塾』10月24日(月)放送

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約9,000社の企業に携わってきた経営コンサルティングのエキスパート長尾一洋社長が、今週も悩めるビジネスマンのご相談に回答。

今回は若手職人の育成についてお悩みの経営者の方からのご相談。長尾社長はどのようにアドバイスしたのでしょうか。その一部をご紹介します!

 

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■若い人材を育成するためには何が必要?

ご相談者は、建築・設計・塗装関連の企業を経営するラジオネーム”ゼンヤ”さん。

いつも拝聴しております。

モノづくりの中小企業を経営しておりますが、高齢化社会で若いモノづくりの職人が非常に少ない状況は長尾さんもご存じだと思います。

私自身、経営者兼職人なのですが、今いちばん困っているのは現場を任せられる若い人材の育成です。

社長が何でもやっていては、会社も従業員も育ちません。かといって、モノづくりにはセンスが必要なので、センスがない人にはいくら教えてもダメなことがあります。

とはいえ熟練の腕を持っている年配者を獲得するよりも、この業界のネックでもある納期までの短さに対応するためには、機敏な動きができる若い人を育成していく方が先々よいだろうと思います。

ただ、職人の世界は厳しいところがあるので、さとり世代やZ世代のゆるい教育で育ってきた人たちに厳しさを押し付けると長続きしないことにつながります。

若い職人の育成に必要なことや経営者としての心がけがあったら教えてください。

ちなみに我が社は無理な長時間労働や休日出勤はさせませんし、パワハラも一切なくホワイトな会社です。

どこの会社さんもお困りだと思いますけど、そもそも若い人の数が減っていますからね。

「うちもそうだよ!」と共感している人が多いのではないでしょうかね。
と話す長尾社長が、若手職人育成のために伝授した目から鱗の方法とは…。

 

■デジタルアーカイブにもなる「動画マニュアル」を作るべし!

長尾社長:これは『動画マニュアル』を是非作ってもらいたいと思います。スマホとかでも撮れますから。

色々な工程を小分けにして撮って、できればキャプションなどを入れながら。

若い人がスマホで見られて「動画を見ればわかる!」というものを、ちょっとずつでも作っていくのが良いのではないでしょうか。

動画マニュアル作成という意外な一手を指南した長尾社長。若者を育てる際のNGも教えてくれました。

長尾社長:一番最悪なのは「見て覚えろ!」「技は盗むもんだ!」みたいなね。

そんなことをやったら一発で辞められちゃうと思いますので、きっちり教えていく。

(先週ご紹介したアンケートで)ありましたね。「丁寧に教えてくれないとダメだ」って新人が答えたっていう(笑)。

面倒かもしれませんが、動画マニュアルみたいなものを残していく。

最初は大変かもしれませんが、1年2年と続けるうちに色々なものが蓄積して行く。

で、若い人が慣れてきたら、今度はそういう人が作るようになって上手く回っていくのではないかと思います。

 

松尾アナ:職人の技と言えば”伝承”が1つの課題になりますが、動画に撮っておくことで伝承にもなりそうですね。

長尾社長:デジタルアーカイブのようなもんですね。

ゼンヤさんが経営者兼職人ということで、ゼンヤさん自身がヒーローとしてデジタル動画を残して行く、と。「生き様をここに刻んでいくぜ!」みたいなね(笑)。

昔だと社史を作ったりしましたが、今はもう動画で残すのがいいんじゃないでしょうかね。

 

■動画は採用活動にも重宝

さらにアーカイブした動画は、若手育成以外にもさまざまな場面で役に立つと長尾社長は考えます。

松尾アナ:動画を公開すると「この世界面白そうだな」とか、職人を目指す人たちの興味を引くきっかけにもなりそうですね。

長尾社長:上手く撮れるようになったら、採用などにも使ったらいいと思います。

例えば、職人の世界というのはどんなもんかというのを、採用の時に見せるとか。

ホームページがあればそこに載せて、「こんな仕事をしていますよ」というを紹介してもいいのではないでしょうかね。

 

■イカにはイカの、タコにはタコの調理法

ここで松尾アナから”若者が長続きしない”という問題について質問がありました。

松尾アナ:私、仕事でZ世代やさとり世代の方と交流することがあるんですが、好きなことに没頭する、すごい集中力を持っている方もたくさんいらっしゃるので、結構期待もしているんですけども…。

 

一般的に現実的で熱血主義を嫌うというイメージで語られることが多い現代の若者たちですが、長尾社長は彼らの育て方をどのように考えているのでしょうか。
始まったのは、なんと「イカとタコ」の話で…。

 

長尾社長:イカとタコを一緒くたにしちゃいけないということです。

イカとタコって似たような奴らですよね。ヌルッとして脚がたくさんあって。

でも、これを一緒にしてイカとタコどっちがいいかって考える必要はないんです。

私は焼いたらイカがいい気がするんです。イカ焼きね。でも刺身ならタコ刺しの方が好きなんです。で、たこ焼きならやっぱりタコじゃない?

 

松尾アナ:甲乙つけ難いですね。

長尾社長:そうなんです。イカはイカ、タコはタコなりの出番や調理の仕方があるのであって、イカとタコを並べて比べる必要は無いんです。

人材も同じで、A君とB君がいたら、A君はA君の調理法があり、B君はB君なりの調理法があるんですよね。それぞれ持ち場が違うので、無理して競わせるようとは考えないことが大事ですね。

松尾アナ:長尾さんのご経験で「こういう若者は何をさせても続くな」とか「期待に応えてくれるんだよな」という人物像ってありますか?

長尾社長:これがね、なかなか無いんですよ。だからイカはイカ、タコはタコ。

「こいつ大丈夫か?覚えも悪いし」というような子が、コツコツ長続きしてくれることもある。

パパッと要領よくやるから「こいつなかなかいいぞ」と思ったら、とっとと辞めて行くということもあるわけです。

なので「こういう人だからいい」とか、あまりパターン化しない方がいい気がしますね。

 

■採用の厳しい中小企業こそ「育て方」で戦おう

◯◯世代だから…などとあまりパターン化することなく、1人1人を見極めて育てる方がいいと語った長尾社長。松尾アナからさらに人材の選び方について質問が投げかけられました。

 

松尾アナ:採用の段階ではどこをチェックしていますか。

長尾社長:多くの中小企業は選ぶ余裕が無い。「来たやつ全員採用!」みたいなね

もちろん最低限のテストとかやったほうがいいけども。

本当、イカはイカ、タコはタコで、どう育てていくか考えるしかない職場もあると思います。

今回のご質問の職人さんのような仕事では、やはり辛抱して習得してもらわなければいけなので、その人に合わせた育て方を考えていく必要があると思います。

採用で選択できれば本当はいいのですが、そうじゃない場合には、入った人を個別に育てていくしかないんじゃないでしょうかね。

 

 

■『ゼンヤ』さんへの回答まとめ
・動画マニュアルを作るべし!

・撮影はスマホでOK。できればキャプションを入れ、若手がスマホで見て学べるものを。
・少しずつ作っていくことで様々なコンテンツが蓄積し、やがて若手も動画作成ができるようになる。

・デジタルアーカイブとして、会社や社長の軌跡を残す意義もある。
・採用時に視聴させたり、ホームページで紹介するなどの活用方法も。

・人材育成は「イカはイカ、タコはタコ」。比べずに個別の育て方を工夫する。

 

■長尾社長へのご相談を募集中!
『長尾一洋 ラジオde経営塾』では、パーソナリティ長尾一洋へのご相談やメッセージを募集しています。お仕事のお悩みや、経営戦略、店舗経営のご相談などに長尾一洋が番組内でじっくりご回答いたします。
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