大企業が“ニセ中小企業”で税逃れ? 藤井聡氏「外形標準課税をなくし法人税率を引き上げるべき」

大企業が“ニセ中小企業”で税逃れ? 藤井聡氏「外形標準課税をなくし法人税率を引き上げるべき」

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大企業が資本金を減らして“中小企業”となり、税逃れを狙う動きが問題視されている。10月20日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)ではこのニュースについて、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏が寺島尚正アナウンサーに意見を述べた。

「低い法人税率はデフレの原因に」

外形標準課税は、都道府県が徴収する法人事業税の課税方法の1つ。資本金や人件費の規模など外形的な基準によって納税額が決まるもので、赤字法人からも税収を得る方法として税収の安定化を目的に2004年度に導入された。

外形標準課税が適用されるのは、資本金1億円超の法人。資本金を1億円以下に減らすと、大企業が“中小企業”となり外形標準課税の対象から外れることができるという問題がある。近年、外形標準課税の対象となる企業数が減少しており、この動きを見た総務省は意図的な減資が横行していると見て対策を急いでいる。

これについて藤井氏は、制度上そのような企業の動きが出てくることには仕方ない面もあると指摘する。

「消費税なら粗利、法人税なら純利益、所得税なら所得といったように、税金にはベースがあります。税金はそこの税率を上げたら、ベースを縮小させる圧力をかけるんですよ。今回だったら資本金がベースじゃないですか。だからそのベースを下げる動きが普通出てくるんです」(藤井氏)

そのうえで藤井氏は、平成元年の時点で40%だった法人税率が、いまや23.4%まで下がっていると紹介。法人税率が低いほど貯金などの内部留保の圧力がかかるのでデフレの原因となるとし、税率の見直しを提言した。

「経営者の方は儲けたいので、法人税は嫌だなと思っていると思います。ただ、経済全体で考えると、法人税を引き上げることはよいことなんですよ。外形標準課税をなくして法人税を引き上げればいいと思います」(藤井氏)

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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