元FRB議長のバーナンキ氏がノーベル経済学賞受賞 田中秀臣氏「彼の論文はリフレ派の基礎」

元FRB議長のバーナンキ氏がノーベル経済学賞受賞 田中秀臣氏「彼の論文はリフレ派の基礎」

Share

スウェーデンの王立科学アカデミーは10月10日、今年のノーベル経済学賞をベン・バーナンキ氏とダグラス・ダイヤモンド氏、フィリップ・ディビッグ氏の3名に授与すると発表した。10月11日の「おはよう寺ちゃん」ではこのニュースについて、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏が寺島尚正アナウンサーに意見を述べた。

実務家の受賞が異例という報道はナンセンス

バーナンキ氏は、2006年から2014年にかけてアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)の議長を務めた人物。日本では、実務を担った元FRBトップの受賞が異例と報道されている。この報道について、田中氏は「まったくナンセンスな形容」と違和感を示した。

「バーナンキ氏はFRB議長に就任する前に、今回の受賞対象となった経済学的な、アカデミックな学者としての貢献があったんです。欧米では組織で働いたことのない学者の方が、FRBや中央銀行など実務家が務める職に就くことができます。日本というのは縦割りなんですよね」(田中氏)

そして田中氏は、自身が「リフレ派」(デフレ状態を脱却するために、インフレにならない程度まで物価を引き上げる金融財政政策が必要と考える人たち)を支持する背景として、大学院時代に読んだバーナンキ氏の学術論文の影響があると明かした。

「私は29歳の時に早稲田大学の大学院に入り直して、そこで最初に読んだ論文がバーナンキ氏の論文だったんですよ。そしてバーナンキ氏の先見の明に感銘を受けました。内容でわからないところをいろんな人に訊いたのですが、その時に一番相談したのが日本銀行副総裁の若田部昌澄さん。2人でバーナンキ氏の論文を読んで“おもしろいね”と。そして学んだことを報告したのですが、それがいわゆるリフレ派の基礎なんです」(田中氏)

今回の受賞は田中氏にとって「リフレーション政策を脱却して低インフレに持っていき、経済を活性化する」という政策の柱を作った人が受賞したという意味を持ち、自らの主張が正しかったという“お墨付き”が得られたことになるという。


「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

で開く

※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。

Share

関連記事

この記事の番組情報


おはよう寺ちゃん

おはよう寺ちゃん

月~金 5:00~9:00

その他の主な出演者

NOW ON AIR
ページTOPへ