経済失速を懸念するG20、共同声明まとめられるか 上念司氏は楽観視「いい意味で大変なことになりますよ」
G7とEU、ロシアおよび新興国11か国で構成される「G20」の財務大臣・中央銀行総裁会議が10月12日と13日、米ワシントンで開かれる。10月10日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)ではこのニュースについて、経済評論家の上念司氏と寺島尚正アナウンサーが意見を交わした。
「日本もけっこういい線行ってるんですよ」
会議には、日本からは鈴木俊一財務相と日銀の黒田東彦総裁が出席する。参加各国は、ロシアのウクライナ侵攻で加速した物価高や、欧米での金融引き締めによる世界経済の失速懸念に対し、警戒を強めている。
しかし上念氏は「集まったからと言って、各国の中長期的な政策スタンスが変わるとは思えないので、今のまま行くんだと思います」と、現在の路線は大きく変わらないと見る。
「財務省や中央銀行の目標は、国内のインフレ率を望ましい状態に誘導することなんですよね。欧米はインフレ率が上がりすぎているので大変ですが、日本はあとちょっとで目標値としているインフレ率に到達するので、日本と欧米の政策スタンスの差はもうしばらく続きそうです。ですが、日本もけっこういい線行ってるんですよ。日本のインフレ率目標達成と欧米の完全ピークアウトが重なると、大変なことになりますよ」(上念氏)
「大変なことって……」と恐る恐る聞く寺島アナに、上念氏は「いい意味で大変なことになります」とメロディーを口ずさみ、「パチンコ屋さんの大フィーバーみたいな感じですね」とイメージを伝えた。
なお、一部には、ロシアへの対応を巡る参加国の溝は埋まらないまま「共同声明をまとめられるか不透明」という見方もある。しかし上念氏は「中国とロシア以外は結束しているわけですから、それで出しちゃえばいいんじゃないですか」と楽観的だ。
「中国も今はそんなに経済よくないですから。ますます中国の経済の先行き不透明感が強まると思いますので、日本企業の皆さんはお気をつけください。製造業界も中国に頼らない動きをダイキンさんが出してましたけど、『ダイキンに続け』って感じですよ。ボヤボヤしてる場合じゃないですからね」(上念氏)
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