原油減産で日本の物価高も落ち着く? 上念氏は「デフレになると失業が増える」と懸念
今年2月のウクライナ侵略を受け、ロシア産原油の供給が減る懸念から原油価格が一時急騰した。しかし夏以降、景気減速への懸念から下落基調となり、10月以降もその傾向が続きそうだ。10月3日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、このニュースについて経済評論家の上念司氏と寺島尚正アナウンサーが意見を交わした。
物価上昇の結構な部分は原油価格に依っている
OPEC(石油輸出国機構)加盟国とロシアなど非加盟の産油国による「OPECプラス」は、9月に原油の減産を決めたものの、世界経済の減速に伴い原油需要が減少する見方が強まっている。10月5日の閣僚級会合では再び減産を協議する見込みだが、不安定な国際情勢もあって相場の先行きが見通しにくくなっている。
このニュースに対して上念氏は「(原油価格が)上がっても文句言うし、下がっても文句言うし、一体どうなったらいいんだ、みたいな話になってますけど」と、目先の動きに振り回される社会の反応を揶揄した。
「よく円安対策で、日銀に“金融政策を変えろ”と言う人がいるんですけど、“日銀がやってもあんまり意味ない”と黒田総裁ご自身もおっしゃってますよね。日本の物価上昇の結構な部分は原油価格に依っているところがあるので、(原油価格が)下がってくると日本のインフレ率も少し回復(下落)してくるかもしれません。もし目先の円安に対して金融政策を変えてたら、またデフレに戻っちゃって失業が増えていた可能性もありますよ」(上念氏)
寺島アナが「(原油価格が)下がっても心配はないということですよね」と確認すると、上念氏は原油価格や物価より、失業率の方が大事と指摘した。
「インフレとデフレの最大の違いは、やっぱり失業ですから。デフレになると失業が増えるので、それは一番避けたいですよね。アメリカは今インフレで大変だって言ってますけど、失業率は異常に低いですから。時給も上がってますし。だから(インフレには)良い面もたくさんあるんですよ。そういうところもちゃんと報道してもらわないと困りますね」(上念氏)
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