日本人の洋楽離れの原因は?
ノンフィクションライターの石戸諭と、女装パフォーマーのブルボンヌを迎えた9月30日放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」。
本日は「日本人の洋楽離れ」について取り上げた。
「きょうのクリエイティ部」では、「日本人の洋楽離れ」について取り上げた。
現在、大阪出身の日本人シンガー、Joji(ジョージ)が海外で大ブレイクしている。彼の『Glimpse of Us』という曲がSpotifyで全米1位を獲得、アメリカのシングルチャートbillboardでも8位にランクイン。さらに、オーストラリアのシングルチャートでは1位を記録するなどの快挙を見せている。
今回、番組では、日本人がいつから洋楽を聞かなくなっていったのか。アリアナ・グランデの国内アルバムの売り上げに注目して紐解いた。
西川「アリアナ・グランデの日本国内アルバム売上の推移で見てみても、1位と2位の『My Everything』とか『Yours Truly』っていう作品が2014年のリリースなのに対して、3位が2016年。4位、2011年。7位は2020年(リリースのアルバム)というように、年々売り上げが低迷しているっていうのがあるんですよね。」
なぜ洋楽離れが進んでいるのか。様々な理由が考えられそうだが、「英米文化への憧れが薄れてきた」ことも挙げられるのではないか。
かつてアメリカの大学の外国人留学生のうち、最も多い割合を日本人が占めていたが、1997年、1998年の4.7万人から2019年では1万7642人まで減少したそう。
ブルボンヌ「これ音楽に限らず、外国車への憧れとかも同じじゃない?」
石戸「あとは経済的な要因が大きいと思いますね。留学ってなんだかんだ言ってお金かかるじゃない?そう考えると日本人がどんどん貧しくなってきてるっていうこともあるのかな?って…。」
続いて、海外作品を売るビジネス構造の変化も挙げられるという。
例えば映画のプロモーションだが、以前は「全米で大ヒット!」のように海外文化への憧れを売る「憧れビジネス」が主流だったことに対し、現在は試写会に来た人がどう感じたかをPRすることで共感を呼び寄せる「共感ビジネス」へ変わったという。
ブルボンヌ「SNSでも著名人じゃない人がうまいこと感想書いたものがすごい伸びたりするじゃない?」
洋楽のマーケットではこの「共感ビジネス」を組み込みにくいため、洋楽離れの一因ではないかと考えられる。
また、洋楽の捉え方が変わったことも要因にあるようで、この10年で様々な社会運動が世界中で加速し、同時に海外で洋楽も単なる娯楽ではなく、政治や社会の文脈を組んだ楽曲が増加した。
西川「日本でも芸能人が政治などを語りにくい風潮が変わりつつあるとは思うんですけど、アーティストが政治や社会問題を語ることがあまり好まれる国ではないのかな?っていうのはありますよね。」
石戸「楽曲を聞くに当たっての文脈がより重視されるような時代になったのは間違いないですよね。」
ブルボンヌ「私も最初は意味わからずノリで洋楽も楽しんでたから。必ずしも意味を理解してというよりは、そもそも英語とか海外の文化に興味がないっていう大前提が今の若い子なんじゃないかって…。」
西川「色々な面で一歩を踏み出すのが難しい世の中になっているのかな?というのもありますね。」
ブルボンヌ「ざっと出しただけでもこれだけの理由があるからそれは離れるわよね。」
石戸「カルチャーとの結びつきは弱くなったかもしれないですね…。その代わり社会的なメッセージとか政治的なメッセージっていうものと結びつきがすごく強くなったってことかなと…。それは僕はいいと思いますよね。」
このコーナーでは、日本人の洋楽離れについてさらに深掘りをして紹介しています。気になる方はradikoのタイムフリー機能でぜひお聴きください。
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