読めない書けないダケじゃない…子どもの「国語力」はナゼ落ちた?石井光太さんに聞く

読めない書けないダケじゃない…子どもの「国語力」はナゼ落ちた?石井光太さんに聞く

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文藝春秋から「ルポ 誰が国語力を殺すのか」を著したノンフィクション作家の石井光太さんが9月26日の大竹まことゴールデンラジオに出演。今の子どもたちを巡る「国語力」について伺った。

大竹まこと「今、子ども達の国語力がすごく落ちているんですか?」

石井光太「時代が求めている国語力に即していないと感じますね。例えば昔は、みんなが大体同じような常識を持っていたり、同じようなのものを目指していたりということがあったように思います。現在は、いろんな国の人がいたり、情報の量が非常に増えたり、すごくスキルを求められたりする中で、昔と比べて高度な国語力が必要になっていて、そこに子どもたちが追いついていないんじゃないのかなという印象が非常にあります。」

大竹「子どもとは、いくつぐらいを指しています?」

石井「学校の先生達は皆さん「2000年を超えたぐらいからかなり変わった」とおっしゃられています。20代ぐらいからということですね。」

大竹「オレもボキャブラリが足んねえなあとか思ってます。問題があるのは国語の教え方ですか、それとも教えられる子ども達の方ですか?」

石井「国語力というのは単純にボキャブラリだけを指しているのではありません。」

大竹「ありゃ。」

石井「例えば情緒力、物事を感じる力ですね。あるいは想像する力。物事を論理的に考える力。そして表現する力、これを全部合わせて国語力という言い方をしてるんですね。これは子どもの時から、親に絵本の読み聞かせをしてもらったり、親との言葉のやり取りの中で徐々に身につけていくもので、小学生ぐらいになると国語や社会の授業で学んだり、友達と自由に遊ぶことで色んな価値観を身につけたり、そういった形で養っていくものなんですね。ただ今の状況というのは、親が子どもにスマートフォンを渡してほとんどコミュニケーションとっていないとか、忙しくて絵本の読み聞かせができないとか、学校でも小学校の時点から英語を教えてプログラミングを教えて、キャリア教育をやって、ということになってくると、きちんとコミュニケーションを取って、考えて、感じるということは、やっぱり少なくなってきてしまうんですね。それをきちんとやっている家庭と、そうでない家庭に分かれてしまっていて、小学に入るぐらいになってくると、物をきちんと自分の言葉で考えられる子どもと、かなり遅れてしまっている子どもに分かれてしまう。そういった国語力の格差が教育現場では非常に危惧されています。」

大竹「日本では賃金の格差も広がっていますが、こういうことも影響しているんですか?」

石井「お金がある家庭とそうでない家庭は、どちらも忙しいと思います。家できちんとした教育・コミュニケーションが取れないのであれば、お金を出してやらせられる家庭と、それはできないのでずっと誰かに預けっぱなしにしたり、家でゲームさせっぱなしにしたりする家庭に分かれてしまいます。必ずしも経済的な状況だけではないんですけれど、やはりお金をかけられるか、かけられないか、ということもかなり大きな違いになると思います。」

大竹「兄弟の多さとかは関係ありますか?」

石井「もちろんです。それに地域で人とつながることも関係します。地域で人と繋がるというのは、全く知らない人達と話すわけですから、新しい言葉を学んだり、情報を学んだり、自分が生きていくために、どう説明をしなければならないのか、喧嘩をしたらどうやって仲良くしていくのか、ということを学んでいく機会があるということです。それが公園で遊んではいけませんとか、学童だけに閉じ込められてしまうと、なかなか違う文化の中で言葉を育てていくということが、できなくなってしまうんですよね。自由な遊び・自由な関わりということが非常に減っているのではないかと思います。」

子どもの国語力を守るにはどうすればいいのか?気になる方はradikoのタイムフリー機能でご確認下さい。

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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