立川談志からビートたけしに鞍替え！若きダンカンはどうやって師匠をチェンジしたのか？

野村邦丸アナ「ダンカンさんって皆さんご存知かもしれませんが、あの立川談志さんに弟子入りしてたんですよね。」

ダンカン「そうです。僕は談志の「談」をいただいて「立川談かん」だったんです。」

邦丸「だから最初は噺家になろうと思ったんですよね。談志師匠に惚れて弟子入りした？」

ダンカン「もちろんかっこいいとは思ってましたよ。あの時代、我々の頃ってのは子供の時から落語は日常にあるものだったし、談志師匠の芸は、オレそういうことは疎いと言いながらも、巨人で言えば長嶋さんみたいな感じで、なんともかっこいい人だなと。落語の力より人間力みたいな、この人のそばにいたいな、ってものはありました。でも大きな理由としては、当時、「新作落語の会」ってのがあって、その前座などでやらしていただいたんですよ。渋谷公園通りのパルコをちょっと下ったところにある山手教会の下に、なぜかジャンジャンっていうライブハウスがあって、そこで一番最初にやらしてもらって。自分で考えて自分で演じてって全部自分で消化できて、だから欲深だったのかもしれません。」

邦丸「古典はやらなかったの？」

ダンカン「古典は師匠のところに行って教えていただきました。師匠が普通の洋服の上に浴衣を羽織って帯だけ簡単に締めて、「オレが今から話してやるから、それ覚えて一週間後にオレの前でやってみろ。下手だろうがなんだろうがオレが口づてで教えたんだから、お前のネタにしていい」っていうルールがあったんです。でやりました。ただ古典落語ってツマンナイじゃないですか？結構アレンジを入れたんですよね。盗撮男が出てきたりとかそういうのを入れたら師匠が「誰に教わった？お前」って。「いや、師匠が一週間前…」「そんなこと教えた覚えはねえぞ！」って怒られたけど、なんかニヤって笑ってるようなところがあって、まあダメ弟子でした。都合良く考えるとダメな奴ほどカワイイんじゃないですか。」

邦丸「それで談志師匠の元を去り、たけしさんのとこに行くわけですよね。」

ダンカン「去るというか、もっと他にも色々なことをやってみたいなって気持ちがあっったんです。そういうことに談志師匠は敏感ですから、なんかこいつ他の事も考えてんじゃないかなっていうことで、他の弟子の皆さんにも「落語だけじゃないぞ。他の事も出来なかったら、他の物を見てなかったら、落語に反映されない」と言ってたんです。ですから談志師匠は実際に議員さんになってます。沖縄開発政務次官になって、酔っ払って会見して、日本中から叩かれたというね。（笑）だから分かってくれたと言うかね、「なんかお前、他にもやりたいことあるだろう？お笑いで誰が好きなんだ？」こう聞かれて、でもこっちはもう二十いくつになって引っ掛けだって分かったので、「いや、私は談志師匠です。もちろん」って言ったら「おおそうか。じゃあ本心は誰が好きだ？」思わず「ビートたけしさんです」って言っちゃって。やっぱりあの方はうまいですね。間がいいからすっと出ちゃった。」

邦丸（笑）

ダンカン「じゃあたけしに電話してやるよって、2～30分もしたら向こうのマネージャーと折り合いがついて、これ持ってけって裸の洋酒の瓶に名刺をセロハンテープで貼って渡してくれたんです。」

邦丸「へ～。それでもう何年ですか？」

ダンカン「もう35年ぐらいですかね？だから談志師匠はあのとき40歳ちょっとですか。弟子が結構来てどんどん首になっていく中で、オレを残してくれたのは今になってありがたいと思っています。それと、志の輔のおかげもあるんです…。」

ダンカンさんと志の輔さんの意外な関わりが気になる人はradikoのタイムフリー機能でご確認下さい。

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