西九州新幹線、あす部分開業 「長崎から武雄まで23分」見切り発車のその先は……
9月23日、西九州新幹線が長崎駅から、佐賀県の武雄温泉駅までの一部区間で開業する。きょう、22日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、寺島尚正アナウンサーが木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏に、西九州新幹線のメリットと課題について意見を求めた。
藤井氏「佐賀の人も大阪へ直接行けるようになります」
西九州新幹線は長崎駅から新鳥栖駅までをつなぎ、九州新幹線に接続する計画で造られていたが、あす9月23日に開業するのは長崎駅から武雄温泉駅(佐賀県武雄市)までの一部区間で、区間距離は66キロメートルと、新幹線としては全国最短区間での“見切り発車”となっている。
西九州新幹線の全線開通に意欲的な長崎県に対し、佐賀県が反対しており、武雄温泉駅~新鳥栖駅間の着工には目処が立っていない状況だ。
そんな西九州新幹線に、寺島アナは「見切り発車の西九州新幹線ということですが、藤井さんはどうご覧になられますか」と、問いかける。
藤井氏は「これ、私は山陽新幹線の頃から情報発信を行ってきた関係者として、ひと足先に試乗してきたんですよ。従来の方法で武雄温泉から長崎まで移動しようとすると、乗り換えの手間がかかるので1時間30分~45分くらいかかっていましたが、それが23分で移動できるようになるので、めちゃくちゃ速いです。また、武雄温泉~長崎間はなかなか難しい工事で、区間全体の6割がトンネルなんですよ。30本以上のトンネルがあって、橋梁が150個以上。関係者の努力があって完成したものです」と、絶賛した。
さらに藤井氏は、着工が遅れる新鳥栖駅~武雄温泉駅間の「見切り発車状態」について、こう補足した。
「メリットと費用の見合いについての判断を、長崎県では導入したほうが良いとしていますが、佐賀県はコストを理由に反対しています。佐賀県がなぜ反対しているかというと、佐賀の人は博多に行くために特急列車があるから、それで不便がない。新鳥栖まで20分ほどで着くし、新幹線がなくても生きていけるのでお金を払いたくないというのが反対の理由になっています」と、藤井氏は説明する。
佐賀県の意図を分析しつつ、藤井氏は「これはね、極めて近視眼的なものの見方です。(新幹線がつながれば)佐賀の人は博多に出ることができるだけでなく、大阪に直接行けるんです。逆に大阪の人でも佐賀へ行こうという人が増えますから、メリットを考えると絶対に早く造ったほうが良いと思います」と、指摘した。
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