鴻上尚史「『そんなことしていいんですか?』っていう若者が増えてる」
日本の演劇界を牽引し続けている劇作家で演出家の鴻上尚史さん。9月20日「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、 “枠組み”にとらわれすぎる若者が増えてきていることへの不安を語った。
大竹「劇団の若い人が昔と比べ変わってきてるようですね?」
鴻上「若いやつで『そんなことしていいんですか?』って言う割合が凄く増えてきましたね」
大竹「そうなんだよね」
小島慶子「それ、どういうことですか?若者が冒険しなくなったっていうことですか?」
鴻上「例えば小道具で釣り竿を買ってきました。100円均一の安いやつですよ。稽古してたら俳優さんが『長すぎて扱いにくい』って。僕が若いスタッフに『だったら切ればいいじゃん』って言ったらスタッフが『そんなことしていいんですか?』って言うんですよ。そんなこと誰も決めてないんだから、扱いにくいんだったら切ればいいじゃないですか。他にも例えば東京は劇場が狭くて小道具の置き場がキューッと集まってるわけです。でも地方公演に行くと劇場が広いから小道具置き場もたっぷりあるんだけど、東京と同じようにキューッと集めてるわけですよ。『もうちょっと広げてもいいんじゃない?』って言うと『そんなことしていいんですか?』って」
大竹「なるほど」
鴻上「なんか“枠組み”を疑うっていうことの訓練がない。決められた“枠組み”に従うことに関しては凄い意識があるんだけど、『そもそもこの“枠組み”は合ってるの?』っていう問いかけをする訓練が、ここ何十年の間にどんどんなくなってきている感じがしますね」
大竹「どこの劇団だったかなぁ、昔、客が入りきれなくて舞台の端に客入れたのね」
鴻上「(笑)ありましたね~」
大竹「これ見てて『そんなことできるんだ』ってビックリしたことがあるんだけど、釣り竿じゃないけど最近は“枠組み”の“枠”が強くてだんだん太くなってる感じもしますね」
鴻上「します。凄くします。僕が高校生の時に今でいうブラック校則、髪の毛が眉毛にかかっちゃいけないだとか、リボンの幅は2センチじゃないとダメだとか、白はダメで黒か茶色だとか、こんなバカなことは20~30年すれば絶対なくなって自由に生活できると思ってたけど、逆になってますよね。地毛の色の証明書を提出しなきゃいけないとか…、こんなことはなくなると思ってた」
番組では、この他にも鴻上尚史さんが気になっていることについて色々と語ってくれました。聴いてみたいという方はradikoのタイムフリー機能でお聴き下さい。
鴻上尚史さんは番組の「大竹メインディッシュ」のコーナーにご出演です。
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