重藤暁が国立劇場の魅力を解説! 建て替え前のいま、手軽に歌舞伎を知るチャンス!?
9月12日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーは「建て替え前に行っておきたい、国立劇場の魅力をクリエイティブ!」と題し、2023年の10月末をもって現在の施設の使用を終える国立劇場を語り合った。
今回のリニューアルは4棟の建物をすべて取り壊すという、大がかりなもの。施設の老朽化だけでなく、伝統芸能離れに歯止めをかけるために、といった理由があるようだ。
重藤暁「このニュースを聞いたとき、ビックリしたんです。でもホテルやレストランとかが入った施設を整備すると聞いて、なるほどなと。もともと伝統芸能というのは、演目を観に行くだけじゃなくて、食べに行くとか、泊まってみるとか、楽しむ(もの)。『ディズニーランドだけに行くんじゃなくて、ディズニーリゾートとして楽しんで。ホテルミラコスタもあるよ』みたいな。明治時期とかまで、ずっとそういうものだったから、本家返り的な感じで楽しめる、そういう施設になるのかなっていう期待感はあると思います」
西川あやの「山内さんも国立劇場に重藤さんのステージ、観に行きましたけど。実際いかがでした?」
山内マリコ「ここ、すごく好きです。建築が格好良くて、外観が正倉院っぽくなっていて。引きで見ると物々しいというかズドーン、という感じだけど、近づいて見たら天井が低くて、間口が長くて広くて、豪華。中もあまりチャラチャラしていない(笑)。開場したのは1966年ですが古いって感じがしなくて。いまの和モダンのセンスでつくられているな、と思ったぐらいです」
施設や歴史について紹介した後、重藤から現在の国立劇場の魅力を解説した。
重藤「国立劇場の魅力は、ざっくりまとめると4つあると思うんです。1つ目が『歌舞伎の復活をやっている』。現代観られる歌舞伎の演目ってほとんど、一部しかなくて。国立劇場って校倉造(あぜくらづくり)であるだけあって、『保存』というのを大事にしているんです。国立劇場は『未来に継承する』みたいなコンセプトをしっかり打ち立てていて、大量にかき捨てられてしまった演目を掘り起こしている」
西川「研究機関的な?」
重藤「そういった意味があります。2つ目の魅力が『通しで見ることができる』。歌舞伎座では『見取(みど)り』という、いいシーンを切り抜いて見せるという方法をとっているんです」
山内「ダイジェスト版みたいな」
重藤「最初から最後まで通しで観ることができるのが国立劇場の魅力で。ここが伏線だったんだ、というのがわかるんですね。3つ目が『歌舞伎俳優を育てる』というところですね」
西川「そういうこともするんですか?」
重藤「はい。一般の出自の人が歌舞伎俳優になったりとか三味線音楽をやってみたり、鳴り物、太鼓を打てるようになったり。それで歌舞伎のプロの舞台に立てるみたいな、研修機関がある」
山内「歌舞伎俳優になりたい、って一般の家庭の子がなりたいと思っても……」
重藤「なれる! そういう筋道ができているんです」
西川「意外と知られていない気がします」
重藤「最後、4つ目の魅力がですね、ハードルが低いというか、値段が安いということなんです。歌舞伎鑑賞教室なんかだと学生の方で1300円ぐらい」
西川「大人も5000円いかなかった気がします」
山内「(行ったとき)4000円台だった」
重藤「ふらっと歌舞伎を観たいという方にはちょうどいいんじゃないでしょうか。国立演芸場に関していえば、予約ができるんです。寄席って予約ができないから。必ず行きたい、となったら指定でとれるのも魅力のひとつかなと思います」
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。