月々の給与がデジタルマネー払いになる? 上念氏「便利でいいじゃないですか」
政府は給与をデジタルマネーで受け取れる制度を、2023年4月にも解禁する方向で最終調整している。9月12日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏と寺島尚正アナウンサーが、このニュースを議論した。
消費行動を分析! 寺島アナ「新サービスの登場に期待」
この制度は、労働者側のPayPayや楽天Payといったスマートフォン決済アプリの口座に直接給与が入り、日常の買い物に使うことができるという仕組み。口座残高の上限は100万円とし、事業者が破綻しても全額補償される仕組みの確保も義務付けるという。銀行口座を持つハードルが高い外国人労働者らが活用することも想定している。
厚生労働大臣が要件を満たす事業者を指定し、事業者の財務状況などを報告できる体制を求めるほか、月1回は手数料なくATMなどで換金できることも条件にするという。
この動きに、上念氏は「いいじゃないですか。どんどんやりましょうよ。だって、それ(決済アプリ)でお金使ってる人多いじゃないですか。私も携帯にSuicaを入れてから、現金はあまり使わなくなりました。大きい支払いはクレジットカード、小さい支払いはSuicaみたいな感じで、現金しか受け付けないところでしか現金を使わないようにすると、全然お金をおろさなくていいんですよね。給与を直接電子マネーに振り込んでいただけるんでしたら、それは便利でいいですよね」と、大いに賛成した。
一方、上念氏ほどデジタルマネーに慣れていなさそうな寺島アナは「便利なんですけど、なかには『あれ、いくらだったっけ?』って金額を忘れちゃうような人がね」と不安げ。
すると、上念氏は「いや、逆にデジタルだから確認しやすいじゃないですか。記録が残るから。財布だとなんの記録もないまま、お金がどんどん出てっちゃうので」と、あくまでデジタル肯定派の立場で話した。
キャッシュレス推進協議会のまとめでは、日本のキャッシュレス決済比率は2020年で30%程度。オーストラリア、イギリスは60%台、アメリカは50%。算出方法は違うものの、韓国では90%以上、中国も80%以上となっている。
この制度が運用されると従来の銀行は顧客囲い込みの優位性が揺らぐ可能性があり、グループ内に主要決済アプリを持つ、新興の銀行に預金が移りやすくなる面もある。
「給与のデジタル払いが可能になるとキャッシュレス化が進み、資金の動きをデータで追って消費行動を分析するなどといった新たなサービスの開発も期待できると言います」と、寺島アナはキャッシュレスが生む新たなビジネスへの期待を語った。
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