「まさにイギリスそのものでした」 エリザベス女王、96歳で逝去
イギリスの君主として歴代最長となる70年にわたり在位してきたエリザベス女王が9月8日午後、96歳で亡くなった。この訃報に、9月9日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、金曜コメンテーターで郵便学者の内藤陽介氏と寺島尚正アナウンサーが、女王の死を悼んだ。
在任期間70年は世界で史上2番目の長さ
エリザベス女王は9月8日朝、健康状態に懸念があり、イギリス北部・スコットランドのバルモラルア城にとどまりながら、医師団の管理の下で静養していた。6日にはイギリス保守党党首のリズ・トラス氏を新しい首相に任命したばかりだった。国民から敬愛され、居城のバッキンガム宮殿と公邸ウィンザー城は観光名所としても人気を集めている。
一方、チャールズ皇太子と離婚したダイアナ元妃が1997年に交通事故死した際、数日間弔意を示さなかったことで、一時批判も浴びたものの、以後はパブを訪れる姿を見せるなど、国民に近い王室の発信に努めたといわれている。
1952年から70年間に及んだ在任期間は、君主としてはフランスのルイ14世の72年と110日に次いで史上2番目の長さだった。
訃報に接し、寺島アナが「郵便学者の内藤さんはこのエリザベス女王について、どういう印象をお持ちですか?」と、内藤氏に尋ねる。
「いやもう、イギリスそのものですよ。世界で最初に切手を出したのはイギリスなんですけど、1840年に最初の切手が出た時はヴィクトリア女王だったので、それ以来、女王、国王の肖像がずうっと切手になっているんです。エリザベス女王の切手も1952年に出ていて、その中で石膏像をデザインしたものが何十年も使われていて、それが強く印象に残っていますね。文字どおり、イギリスの顔ですね」と追想。内藤氏は、BBCテレビのアナウンサーの服装からも女王の体調の悪化を察していたという。
エリザベス女王は外遊が100カ国に及んだといわれ、その中でも日本には、昭和天皇がイギリスを訪れた返礼として1975年に訪れていた。また在任中のイギリス首相は、第二次世界大戦を勝利に導いたチャーチル首相から現在のトラス首相まで15人にものぼる。
「理屈のうえでは、次はチャールズ王太子が国王になるんですけど、なんかちょっとイメージが沸かないですね。ヴィクトリア女王の在位がずっと長くて、その後エドワード7世が継がれて、その時はもう50代で高齢でしたが、ヴィクトリア時代とエドワード時代でだいぶ雰囲気が変わったんですよね」と内藤氏の指摘どおり、ヴィクトリ女王とエリザベス女王の二人の偉大な女王の時代はとても長かった。
「細かいことが何もわからなかったら、イギリスって女王の国なんだなって思いますよね。まさにイギリスそのものでしたね」と寺島アナもエリザベス女王を称え、その死を悼んだ。
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