物価高対策… 政府、低所得者世帯への5万円給付を検討 「やってる感」を演出か?
9月7日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、政府が低所得者世帯に5万円の給付金を配る方向で検討しているというニュースについて、水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏と寺島尚正アナウンサーが意見を交わした。
森永氏「消費減税のほうが不公平感がないのでは」
国際的な資源価格の上昇と急激な円安の進展によって、輸入する原材料が高騰。食品や電気代など生活に欠かせない商品・サービスの値上げが広がったことで、政府は低所得世帯の生活が厳しくなっていると、今秋にも給付金によって重点的に支援するという。対象は、住民税が非課税となっている世帯。この給付金で電気代やガス代の上昇などによる負担を和らげる方針だ。
このニュースに、森永氏は「まず、物価高や電気・ガス代といったライフラインに関わるものの上昇が、今回給付対象となっている世帯だけが苦しんでいることなのか、が疑問です。また仮にそうだとして、じゃあ5万円で足りるのかというところにも疑問が残るので、言い方が悪いですが、『やってる感』を演出しているだけなんじゃないの、と思ってしまいますね」と、厳しい見方を示した。
「この給付金が何を根拠に5万円なのかというところですよね」と、寺島アナが問題点を示すと、森永氏は自身の意見をこう展開した。
「前回、10万円の定額給付金(コロナ給付金)の時も議論として出ていたのですが、どこかに線を引いて金額を決めると、必ず何かしらの問題が出てくるんですね。例えば世帯年収で区切るとすると、年収に1円の差があった時にそれってなんなのかとなる。こういうのはみんなに恩恵があるような形にしてしまったほうが良いですし、その点で消費減税が良いのではないかと思います。そもそも、消費税は低所得者の人ほど負担感が大きいわけですから、減税することで低所得者ほど恩恵が及ぶ。このほうが、不公平感がなくて良いのではと思います」(森永氏)
また、政府は今回の給付金に対して約9,000億円の財源が必要だと見込んでおり、今年度予算の予備費から支出することを想定している。
森永氏はこれにも、「結局財源がすべての悪い流れの根幹にあるわけで、さっさと補正(予算)を組むべきだと思います。散々指摘されてきましたが、いわゆる需給ギャップはすごく低く見積もったとしても、20兆~30兆円あると言われています。その中での規模感でいえば、9000億円でしかも予備費から出すということはやっぱり『やってるだけなのではないの』と思ってしまいますね」と、チクリ。辛口のコメントを残した。
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