イギリス新首相にリズ・トラス氏 「減税とエネルギー問題解決に意欲」
9月6日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、イギリスの次期首相にリズ・トラス外相が選ばれたニュースについて、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と寺島尚正アナウンサーが意見を交わした。
田中氏「減税について留保条件を出している」
ジョンソン首相の後任を選ぶイギリス与党保守党の党首選挙で、リズ・トラス外相が新党首に選ばれた。トラス氏はイギリス史上3人目の女性首相となる。決選投票では約8万1000票、57.4%の得票率を獲得し、一騎打ちとなったスナク前財務大臣の約6万票(42.6%)を上回った。早期の下院の解散に踏み切らない限り2025年1月まで首相を務める予定だ。
なお、トラス氏はジョンソン政権で国際貿易大臣や外務大臣を歴任した経歴を持ち、イギリスの環太平洋経済連携協定(TPP)加盟申請を推進した実績を持つ。また、ロシアと中国に対して強硬路線を掲げるタカ派で、ウクライナ問題をめぐってはロシア制裁の導入を主導している。
「女性首相3人目が誕生なわけですが、トラス氏についてどういう印象をお持ちでしょうか」(寺島アナ)
寺島アナの問いかけに対し、田中氏は「今のジョンソン首相とトリス外相のコンビはロシアに対してかなり強硬でうまくいっているなというイメージです。また、今回の党首選挙では鉄の女(マーガレット・サッチャー氏)のように服装や発言などで力強い政治家のイメージを展開していましたよね」とコメント。
また、トラス氏の「減税を実施し、経済を成長させる大胆な計画を実行する。国民の光熱費の問題だけでなく長期的なエネルギー供給問題にも取り組み、エネルギー危機を解決する」という就任後の抱負について、田中氏は留保条件が提示されている減税について言及した。
「減税について留保条件を出していますよね。これは今のインフレがピークを迎えている時には減税をしないということ。減税してみんながお金をいっぱい使ってしまうと物価高騰に直結するので、減税はインフレの高騰がひと段落してから考えるという旨の発言をしています。また、今のイギリスのインフレ率は非常に高く、イングランド銀行はインフレ率13%まで達すると予測しています。このインフレに対峙するには少なくとも来年いっぱいまでかかると。長期の不況は免れないので、トリス首相の政権運営力が試されますが、かなり厳しい展開になると予測されます」(田中氏)
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