岸田総理記者会見 一夜明けた永田町のささやき～ 9月1日ニュースパレード 山本香記者取材後記

新型コロナウイルス感染の療養から職場復帰した岸田総理の記者会見から一夜明けた永田町では、オンオフ様々な声が飛び交っていた。

　岸田総理は記者会見で、関係閣僚を含めた自民党議員と旧統一教会との関係について「国民の皆様から引続き懸念や疑念の声を頂いております。自民党総裁として率直におわびを申し上げます」と述べ、陳謝した。

　この発言について、立憲民主党の西村智奈美代表代行は「岸田総理は、関わりがあったことについてお詫びをすると言った。問題のある団体だと総理も認識しているということだ」と指摘。

　その旧統一教会について、以下の3点を茂木幹事長に指示したことも記者会見で明らかにした。

①関係性を点検した結果を取りまとめて公表すること。
②過去を真摯に反省し、しがらみを捨て、団体との関係を持つこと。
③今後、社会的に問題が指摘される団体と関係を持たないよう党のコンプライアンスチェック体制を強化すること。

　共産党の志位委員長は「無責任さを浮き彫りにする会見だった。自民党のどこが問題だったのか一切語っていない」と指摘した上で「自民党が言っているのは調査ではなく点検だ。メディアは調査と報じているが、ミスリードしないように！」と述べていた。

　「調査」と「点検」
ここで8月31日の記者会見で茂木幹事長と記者とのやり取りを思い出してみよう。

記者「自民党はすでに所属国会議員を対象に・・・」

茂木「アンケート調査はやってません」

記者「関係を調べる調査を・・・」

茂木「調査ではありません」

　「調査」と「点検」の違いについて永田町での反応は

自民党関係者は「点検と調査、結局、同じ意味じゃないの？」

たまたま通りかかった一般人は「政治家は言葉でごまかそうとしているの？」

野党議員からは「党として調査はしないと言っていたので、今更調査という言葉は使えないんだろう」という声のほか、

「8項目のアンケート調査、生ぬるい内容で済むとおもっていたら大間違い」と手厳しい意見が相次いでいた。

　「旧統一教会及び関連団体との関係について」と題した自民党の点検だが、祝電を送ったことや関連団体の会合への出席の有無など8項目挙げられているが、秘書の受け入れや、政策への提言などを受けたかどうかについては触れられていない。

　聞き取る項目として十分なのだろうか国会議員の秘書に聞いてみた。

「地元も含めた事務所に出入りしている教団関係者は調べたら結構出てくるかも」

「党としてあれが（8項目）が限界」という声のほか、

「旧統一教会以外の団体からも、秘書らを送り込んでいると思うよ」という話も出てきた。

　秘書らを送り込んでどんな便宜を受けているのだろうか。政策決定に影響は出ていないのだろうか。岸田総理も茂木幹事長も「関係を絶つ」と明言した。旧統一教会とは手を切っても、代わりに他の団体が幅を利かすという恐れは無いのだろうか。

　8月初旬にある自民党幹部は「内閣改造してお盆が過ぎれば教団の問題も下火になる。旧統一教会の問題は単なるワイドショーネタだ」と語っていたが、8月下旬には「完全に世論を読み違えた」と頭を抱えていた。

　自民党の「点検」は9月2日に締め切り、6日にも集約した結果を発表する予定で、関係が濃密と思われる議員については、氏名の公表も検討している。
　
　「点検した。公表した。はい、おしまい」との見通しを示す永田町関係者もいるが、野党幹部は「ここでけじめをきちんとつけられなければ国民の政治への信頼は戻ってこない。与野党関わらず、ここで徹底的に膿を出し切れるかどうかだ」と力をこめた。

　岸田総理は、記者会見で政治の信頼が揺らいでいることについて「初心に帰って」という言葉を4回繰り返し、「批判は正面から答える責任があり丁寧な説明に全力を尽くしてまいります」と強調した。

幕を引くのはまだまだ早すぎる。

「ニュースパレード」は「西川あやの おいでよ！クリエイティ部」内、平日午後5時～5時15分、文化放送（AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko）で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

また「ニュースパレード」はPodcastでも配信しています。

https://podcastqr.joqr.co.jp/programs/newsparade

そしてGoogleスマートスピーカー （#GoogleHome 、#GoogleNest ）や、 androidスマホから聴けるようになりました。

「ニュースパレード聴かせて」と声を掛けてください。