中国が巨大ドローンを導入した人工降雨作戦を実施 成功するが課題も浮き彫りに
8月30日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水不足に頭を抱える中国が実施した「人工降雨作戦」が話題に取り上げられ、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と寺島尚正アナウンサーが意見を交わした。
雨量まではコントロールできない 洪水や土砂災害の危険性も
いま中国は歴史的な干ばつに見舞われ、水不足や水力発電の停止によるエネルギー不足に頭を悩ませている。そこで、大型ドローンを利用して雨雲の元になる粒子を散布し、人工的に雨を降らせる試みが実施された。中国では10年以上前から銀とヨウ素の化合物であるヨウ化銀などの人工降雨剤をロケットで打ち上げる「人工降雨作戦」が行われているが、今回は新たに大型ドローンが投入された。これにより、四川省と重慶市では大雨が降り出したという。
このニュースについて、田中氏は「すごいですよね。成功したならよかったですね」とコメントしたが、言葉を濁し何か本心を言いたげな様子。寺島アナも似たような反応で「成功したのはよかったと思いますが、大雨を降らせて大丈夫なのでしょうか」と、干ばつしているところに急に大雨が降ると鉄砲水などの水害が起こりやすい点を心配していた。
また、寺島アナは人工降雨について過去に思い当たる節があるようで、「北京オリンピックの開会式当日に雨が降りそうだから『前日に降らせてしまえ』となって、ドーンと音が聞こえたその日の夜に雨が降ったんですよ。あれはもしかしたら人工雨だったかもしれないですね」と、14年前の北京オリンピックに足を運んだ時の「人工雨エピソード」を振り返った。田中氏も「確かにありましたね、そんなニュース」と反応し、当時の中国の行動力を思い返した。
なお、四川省と重慶市では場所によって降雨量が平年の2倍に達したという。水不足が解決してエネルギー問題も解決すると素直に喜びたいところだが、専門家も洪水や土砂災害の危険性に警戒を強めている。
「雨の量まではコントロールできないんですね」と寺島アナはこの技術の課題を指摘した。
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